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ep.12 神子様はみんなのお母さん①

あれから数日が経ち、束の間の休息は今も続いていた。 神淵の森での出来事で…まだ神子の力も儘ならない中、瀕死状態のティコを蘇生させ。 更に召喚された魔物まで浄化し、消し去るという荒業までをもやってのけたおかげ…なのかは判らないけども。 さすがになにかしらの反動が起きたのか、オレの体調は思わしくなかった。 何よりショックだったのは、魔法が殆ど使えなくなってたってこと。 ティコもまだ完治してなかったから。 少しでも治してあげられたらと思って、治癒魔法を試してみたんだけど…。掌に魔力が少し集まるだけで、魔法は一切発動してくれなかったんだ。 ヴィンが言うには、魔力を使い切ったことによる、一時的な“魔力切れ”という症状なのだそうだが。 安静にしてさえいれば、自然と治まるって話だから。とりあえず心配は要らないみたいだ。 とまあ、オレには療養を強いる過保護なルーファス達だけど。あれだけの戦闘をこなしたにも関わらず、みんなは怪我もなくピンピンしており。 オレが目覚めてからは通常通り、また鍛練に勤しんでたりする。 そういうとこ見ちゃうとさ、オレもちょっと怠くて魔法が使えないぐらいのもんだったし。意外と元気だから、勉強だけでも再開しようかな~…なんて思ったんだけど…。 やっぱりルーには猛反対されて。 仕方なく…ではないけれど、ティコも屋敷で療養中だったこともあり。 少年のお世話をしたり、お喋りなんかしたりして…のんびりした時間を、満喫させてもらった。 そのティコも随分良くなって来たため、そろそろ孤児院に帰すこととなり。当初はルーファスが送ると、申し出たんだけど。 何故だかティコは、異常なまでにオレへと懐いてしまい。神子さまが良いって、可愛く駄々を捏ねるもんだからさ…。 「まだ体調も万全ではないのですがね。」 案の定、ヴィンには渋い顔されたものの。 「今回は僕達全員で一緒に行けば、問題ないんじゃない?」 セツには気分転換も必要だよって、アシュが進言してくれたから。 きっと森での一件で…オレがかなり参っちゃってたのを、汲み取ってくれたんだろう。 ヴィンも心配そうにしながら、仕方ないですね…と。なんだかんだ、すぐに了承してくれたのだ。

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