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②
…というわけで。
オレはルー、ジーナとロロにアシュの守護騎士様4人をお供にティコを連れ、孤児院へ向かうことになり。
オレとティコは、まだまだ万全とは言えない状態だったし。ヴィンからは馬車で移動するようにと、言われたのだが…。
「ぼく、馬に乗りたい!」
無邪気で好奇心旺盛なお年頃は、まんまる眼 をキラッキラと輝かせ、おねだりしてくる。
「お前まだ怪我してんだろ?馬なんか乗ったら、傷に響くぞ~。」
こうみると、ジーナも随分とお兄ちゃんって感じで。ティコを優しく嗜めるんだけど…。
「ダメ…神子さま…?」
「ううっ…」
オレが押しに弱いのを知ってか知らずか、ティコがこっちを見上げてくるもんだから。
「乗せて…上げられない、かなぁ…?」
今度は助けて~と、オレがルーとアシュを見上げ、お願いしてみる。と…
「…これは、反則だよねぇ…ルーファス?」
「…そう、だな。」
ティコについては、最年長のアシュが安全運転で乗せて行く…ということで決まった。
「さあ、セツ。」
「う、うんっ…」
で、なんならオレも馬が良いって…漁夫の利ついでに乗せてもらうことにしたんだが…。
アシュ達みんなの強い薦めもあり(?)…オレはルーと相乗りすることになった。
まあオレは内心、乙女みたくキャーキャー歓喜してたわけだけど。いざ人生初の乗馬!…ってなると、それはそれでスッゴク緊張するワケで。
しかも…
「どうした?…やはり怖いか?」
ルーが騎馬に股がると、もうハンパなく絵になるので。
優雅にそつなく、手を差し出されようものなら。
オレの心臓は、破裂してもおかしくないくらい高鳴っていた。
「オレ、初めてだから…乗り方とか分かんなくてっ…」
意識してるのを悟られぬよう、モジモジしながらそう告げると。ルーは苦笑しながらもオレの手を引き…ひょいと軽く持ち上げる。
「わわっ…」
「ほら…私にしっかり掴まって。」
ルーと手綱の間に横向きで座らされて。
どこに掴まれば良いか分からず、フラついていると…。
片手で抱き寄せられるようにして…耳元へと、直接囁かれた。
「ひぇ…っ…」
思ったより高さがあり、つい臆してしまうオレは。言われた通り、ルーの身体へギュッとしがみつく。
するとルーは、ふわりと微笑んで。
「安心して良い。絶対に落とさないから。」
…なんなら今の台詞でオレ、恋に落ちましたけど?
そんなオレになど、お構い無く…オレの騎士様は、爽やかスマイルと共に。悠々と、手綱を操るのであった。
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