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「いや、ルーって意外と大胆だよな~。」 「セツにエッチなことして怒られてたしね~!」 ジーナはフムフムと納得して頷き、ロロは相変わらず見た目を裏切りとんでもない暴言を吐き出して。 「ルーファス、そういった大事なことは我々にもきちんと報告して頂かないと。セツには神子の、貴方には守護騎士としての立場があるのですから…」 「ちが、私はそんなつもりでは…いや…」 ヴィンに謎の説教までされるルーは、面食らいながらも誤解だと焦り出すが… 「ルー…」 オレが恥じらいながらルーを見上げると、真っ赤になって狼狽え始めてしまい。 「その…私はセツに似合うと思っただけで、下心というかっ…決して邪な考えなどでは、」 すまないと…指輪の意味を深く考えなかったことに、平謝りのルー。 「けど、セツも甘んじて受け取ったなら、満更でもなかったんじゃない?」 「え…?や、それはっ…」 うふふとアシュに意地悪され、オレもドキリとして。 無意識にルーと目が合えば、何かを期待するような無言の圧みたいなのを掛けられてしまい。 「もおっ…ルーがちゃんと考えて、渡さないから!」 オレまで弄られちゃったじゃん! 真っ赤になって憤慨するオレに、ルーはしゅんと小さくなり… 「す、すまない…」 軽率だったと、深々頭を下げられてしまった。 や…本気で謝られてもなんか複雑だし。オレも浮かれてた分、考えが足りてなかったけどもさ! だって…どんな意味であっても、ルーがオレのことを思ってプレゼントしてくれた物だから。 単純に、嬉しかったんだもん…。 「さあ、からかうのはこれくらいにして…」 朝食が冷めてしまいますよ、と。 聞き捨てならない台詞を吐くヴィンの、切り替えスイッチの早いこと早いこと。 「むぅ…みんな解っててやってただろ…」 「ごめんねセツ、だってルーばっかズルいんだもん~!」 ボクだってセツを独り占めしたいのに~って、ロロは可愛くむぎゅむぎゅしてくるから。全く以て憎めない。 「ルーには色々と、感謝されたいくらいだもんな~。」 「だよねえ、僕達は早々に身を引いてあげたんだし…ねえ?」 ジーナとアシュは、ルーを囲みニヤニヤしてるし。挟まれたルーはたじたじだ。 一体なんの話してんだろ? 「あ~もうっ、オレ腹減った!」 ヴィンはもう、みんなを無視して勝手に食べ始めてるし。これ以上指輪の話を蒸し返されたも、困るので。 オレは話題を断ち切るよう、どっかり席について。イタダキマス!と、大きな声で合掌するのであった。

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