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「あははっ…なんだか賑やかで良いですね。」 オロオロしてる姿が、おっきなワンちゃんみたいで可愛いな~とか想像しちゃったら。オリバーさんが年上なのも忘れ、ついつい吹き出してしまった。 するとオレの軽率な態度が気に障ったのか、みんなして急に黙り込んじゃったので…。オレは慌てて頭を下げる。 「ごっ…ごめんなさい、笑ったりなんかして…」 「いや、そういうワケではなくてっ…」 皆が慕う団長さんに向かって、なんて失礼なことを… オレがしゅんとなり平謝りすると。今度はオリバーさん達全員が、妙にあたふたとし始める。 「そのっ…オリバーさんて、とても気さくで。思ってたより喋り易い人だなぁと思って…」 最初は年上だし超絶イケメンだし。騎士界のカリスマ団長様だからと、多少緊張したりもしてたんだ。 でも書庫で話してからは、随分とオレも打ち解けられて。人柄の良さは勿論、最初から知ってたし…みんなの憧れの存在って言われてるくらいだから。 職場ではやっぱり厳しかったりするのかな~なんて、思ったんだけど… 「こんな風に慌ててるオリバーさんって、なんだか新鮮っていうか。意外と可愛い人だな~なんて…────ああっ!…や、そうじゃなくてですねっ…」 笑ったことに対し弁解してたら、余計なことまで口走っちゃって…。オレは真っ赤になり口ごもる。 するとオリバーさんと騎士さん達は、目を丸くして。そんなオレの、慌てふためく様子をじい…っと見ていたんだけど… 「神子殿、ヤバくないッスか?…男って聞いてたから、アレだったけど。なんかこう、さ…?」 「俺…オリバー団長の気持ちが、ちょっと理解出来た気がします…」 「これはこれは──…ライバルも多そうですねえ、団長?」 「…お前達、頼むからあまり余計なことを言わないでくれ…」 騎士さん達は、目元や口を押さえながら何かに耐えるように。各々、明後日の方を向いてはボソボソと言い始め。 オリバーさんまでもが同様に、何故だか真っ赤になって嘆息するという…。 さすがに馴れ馴れし過ぎて、怒らせちゃったかなぁ…団長さんに…しかもオリバーさんみたいな容姿や立場の人に向けて可愛いだとか、あり得無いよな…ホント。 「あのっ…失礼なこと言って、ホントにごめんなさい…」 「や…セツ殿、私は全く気にしていませんからっ───おい、お前達…!」 『もっ、申し出ありませんでしたっ神子殿…!!!』 堪らず半泣きで頭を下げたら、オリバーさんに一喝された騎士さん達に恭しく跪かれて。 逆にオレの方が、メチャクチャ謝られてしまうという… 「結局、何しに来たんだお前達は…私に用があったのではないのか?」 話題を無理矢理変えるよう、オリバーさんがゴホンと咳払いして。3人の騎士さんは、また顔を見合わせる。と… 『いえ、もう大丈夫です!』 そう、息ピッタリに答えて。 3人はそそくさと馬に跨がった。

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