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「また魔物が暴れたってよ。」 最近の食事の話題は、専らこればかりで。 ジーナはうんざりしたよう溜め息を吐く。 「神淵の森付近だそうですね。駐屯地の警備隊が処理したそうですが…」 「え…駐屯地って、まさか孤児院の近くの?」 オレが思わず声を上げると、ヴィンが静かにハイと答えるから。オレはティコ達のことを思い出し、表情を曇らせる。 「安心して、セツ。孤児院に被害は無いようだから。」 ね?とアシュが目配せする。 宥めるよう優しく諭されて、オレの不安は少しだけ和らいだ。 「聖域がある分には、警備も厳重だからな。何事も無ければ良いが…」 ルーもきっと心配なんだろう、子ども達とは一番深く関わってるからね…。 本当なら、今すぐにでも様子を見に行きたいだろうけれど。守護騎士としての責任もあるから。色々と歯痒い思いをさせてるのかもしれないな…。 「ティコ達ならきっと大丈夫だよ、セツ!」 元気出してと、可愛いロロによしよしと励まされ。 オレもうんと返事し、空元気で応える。 本当はまだ気が気じゃなかったけども。 今はただ、ティコ達の身の安全を祈る外なかった。 「あ~…今日は一日、退屈しそうだな~。」 朝食を終え、談話室で寛いでいると…ジーナが背伸びしながらぼやく。 外では相変わらず、雨が降り続けており。 遠くの景色も白くぼんやりとしか見渡せなければ、止む気配すら無い。 「ジーナは身体動かしてないと落ち着かないもんな?」 「じっとしてたら、身体も鈍っちまうからさ~。」 何より鍛練大好きなジーナは、仕方なしに修練場にでも行こうかな~…なんて話し始める。 セツもどうだ?って、誘われたけど…それは丁重にお断りしておく。 残念ながら神子としての力はあっても、体力的な素質は一切無いからね。下手に運動し過ぎると、すぐ筋肉痛になっちゃうし…。それなら、本とにらめっこしてる方が良さそうだ。 今は一日でも早く、神子の魔法を自力で扱えるようにならなきゃだしね…。 「ならボクと一緒に魔法の練習しようよ~、セツ!」 むぎゅうと抱き付いてくるロロに提案され、それは良いなと頷く。 ロロは守護騎士の中では最年少でありながら、最も魔法の才能があるわけだし。今までも、魔法の修行で度々お世話になってたから。 何より気難しい本と格闘するより、そっちのが断然気楽なんだもんね~。

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