199 / 423

ep. 18 罪への代償①

最後の口付けに後ろ髪を引かれつつ、お互い微妙な空気を抱えながらも。 ふたり孤児院に戻ろうとした矢先、アシュ達が小屋までやって来た。 オレが森に向かってすぐ、ふたりも後を追おうとしたそうだが…。 魔物の襲撃に遭い、孤児院に待機していたジーナも加わり皆で応戦していたらしい。 今はオリバーさん達が援軍に来てくれたため。 残りの処理を任せ、ようやく此処まで来れたのだと…ジーナはとても悔しそうに笑っていた。 「セツ殿!ご無事でしたか…」 みんなと一緒に孤児院まで戻ると…オリバーさんが駆け寄ってきて。安堵したよう、嘆息する。 「すみません、急に…」 「いえ…セツ殿のおかげで、魔族の襲撃を未然に防げたのですから。」 オレが頭を下げると、オリバーさんは逆に礼を述べ微笑む。 「そうだ…ティコ達は…」 「子ども達も皆、無事ですよ。彼らが迅速に魔物を迎撃してくれてましたからね。」 答えるオリバーさんは、視線でジーナ達を示す。 「ありがとう、みんな…」 「たく…セツがひとりで森に行っちまったって聞いた時は、すっげぇヒヤヒヤしたんだからな?魔物も出てきて足止めまで食らっちまうし…」 森では遅れてごめんと、散々謝っていたジーナは。今度は(たしな)めるように、オレの額をコツンと軽く叩いてくる。 「ボクも生きた心地しなかったんだから…あんなこと、もう絶対しちゃダメだからねっ…セツ!」 「連れて来た責任は僕にあるけれど…。セツはもう少し、自分を大事にしなくてはいけないよ。」 「ロロ、アシュ…ほんと、ごめんね…」 ふたりもよほど心配してたんだろう。 ロロは泣きそうな顔で訴え、アシュも優しく諭すように告げていた。 あの時は無我夢中だったから、考え無しに行動してしまったけど… 本気で心配してくれてるみんなを見たら、申し訳なかったなって思うよ…。 「後から来たヴィンも、相当怒ってたからな~覚悟しといた方がいいぜ~。」 「ううっ…ゴメンナサイ…」 それでもみんなは、笑って許してくれるから。 ホントオレは、とことん甘やかされてるよなぁ…。

ともだちにシェアしよう!