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⑦
「ぉ…おはよっ…」
「…ああ、おはよう。」
翌日、気不味くなるのも…必然なわけで。
ふたり顔を合わせるなり、頬を赤く染めては目を逸らす。
ちらりと盗み見たら、また視線がかち合って…
そんなことを、早朝からずっと繰り返していた。
だからといって避けるわけじゃないし。
単に意識しまくってるというか…
だってオレ、昨日の流れに流し流され…ルーのコトを、そのっ…慰み物にしちゃったからさ。
それこそルーに押し倒された時の、妙に色っぽい表情とか。名前呼ぶ時の掠れた低音とか…
目に焼き付いたソレを、つい思い浮かべながら────
…とまあ、一夜明ければ嫌でも冷静に。
後悔しては、いるんですけども…。
「…………」
「……セツ?」
「ひゃっ…なんでもないよ!」
余所余所しくはあるものの、それ以外は普段通りの爽やかなルー。
けど昨日のコイツは、ちょっと強引で野性的で。
その、男っぽいていうか…オレに対し、あからさまな欲を晒け出してきたわけで…。
(ルーも…)
…シたの、かな?
コイツだって男だし…なんか想像つかないけども。
オレよりも大人で、婚約者や恋人もいないっていうなら…
それで事後処理とか、しない方がおかしいよね?
あんな状態で耐えるとか、男だったらそれこそ生殺しだし。
ってことは、やっぱりルーも…なんて想像してたら。ダメと解っていながら、ついつい変な気分になっちゃうじゃんか…。
そんなこんなで、
オレは逃げるように書斎に引きこもっては、適当な本を漁る。
ヴィンはアリシア様のとこだから、好きにしてて良いとは言われてたけど。
これくらいしか、頭冷やす口実もないからなぁ…と、ペラペラと頁を捲っては、外へと視線を送ってみたり。
この感じは、なんか久しぶりだなぁと…独り苦笑しながら見た空は。
昨日の雨が嘘みたいに晴れ渡っていて…露に濡れた緑色を、キラキラと照らし出していた。
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