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「ばか…いきなりそれって、なんだよ…」 ドキドキして、胸がいっぱいで。 擽ったさに、ルーの額に自分もそれをくっつけて苦笑えば。 ルーは譫言(うわごと)のように答える。 「夢を…見たんだ…」 瞑目するルーは、辿るように語る。 「セツが…泣きながら、俺に告げるんだ…好きだ、と…」 それはルーが眠ってる間に。 オレがずっと言ってた言葉じゃんかと、目を丸くした。 「だから…愛している。」 目を開けば、やっぱりお前は泣いていたからと。 そんなオレを安心させたかったのだと… 夢半分に話すルーは。 手を伸ばし、オレの頬に…触れる。 「とても、幸せな…夢だった…」 お前は泣いていたけれど…ようやく応えてくれたから。 言ってルーは、はにかむけれど。 「夢…じゃないよ…」 だってそれは、真実なんだから。 「大好き…」 すっごくドキドキしてる。 けど、勇気を出してオレを見つめるルーの唇へ、 触れるようなキスを落とせば… 「わっ…」 気付いたらオレはベッドを背にしてて… 反対にルーは、オレを熱っぽく見下ろしていて。 しかも… 「あっ…ちょ、待っ…」 「だめか…?」 「え…や、そうじゃなくてっ…」 待って待って、ホント思考が追い付かないよ? ルーが目覚めて、愛してるって言われて。 オレも好きって…キスで返して。 それから、この流れって────── 「おっ…お前、一回死んでたんだぞっ…!?怪我だってまだ安静にしてなきゃだし、起きたばっかでこんなっ…」 流れで言えばなくもないけどさ… いきなりはっ、急展開過ぎるだろ? オレだって色々と、心の準備とか… いやいや、そういう問題じゃなくてだな… 「そう…言われても、な…」 “我慢出来そうにない────” そう、男らしくも綺麗な顔で告げるルーは。 珍しくねだるように、じっと上から見つめてくる。 むうう…ダメだって解ってるのに~… オレだってずっとずっと、我慢してきたんだ。 それをこんな絶好のタイミングで、 好き合えた相手から、欲しいって言われたらさ… 「もう…ルーの好きに、していーよ…」 嫌だなんて、言えるわけないじゃん… 「あっ…で、でもっあんまり激しいのは、ダメっ…だから…」 早速とばかりにオレの身体に触れてくるルーを制して、念を押せば… 「解ってる…今は触れるだけでも構わないから。お前を、感じたいんだ…」 そう熱く囁いて、口付けを落とした。

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