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③
「ばか…いきなりそれって、なんだよ…」
ドキドキして、胸がいっぱいで。
擽ったさに、ルーの額に自分もそれをくっつけて苦笑えば。
ルーは譫言 のように答える。
「夢を…見たんだ…」
瞑目するルーは、辿るように語る。
「セツが…泣きながら、俺に告げるんだ…好きだ、と…」
それはルーが眠ってる間に。
オレがずっと言ってた言葉じゃんかと、目を丸くした。
「だから…愛している。」
目を開けば、やっぱりお前は泣いていたからと。
そんなオレを安心させたかったのだと…
夢半分に話すルーは。
手を伸ばし、オレの頬に…触れる。
「とても、幸せな…夢だった…」
お前は泣いていたけれど…ようやく応えてくれたから。
言ってルーは、はにかむけれど。
「夢…じゃないよ…」
だってそれは、真実なんだから。
「大好き…」
すっごくドキドキしてる。
けど、勇気を出してオレを見つめるルーの唇へ、
触れるようなキスを落とせば…
「わっ…」
気付いたらオレはベッドを背にしてて…
反対にルーは、オレを熱っぽく見下ろしていて。
しかも…
「あっ…ちょ、待っ…」
「だめか…?」
「え…や、そうじゃなくてっ…」
待って待って、ホント思考が追い付かないよ?
ルーが目覚めて、愛してるって言われて。
オレも好きって…キスで返して。
それから、この流れって──────
「おっ…お前、一回死んでたんだぞっ…!?怪我だってまだ安静にしてなきゃだし、起きたばっかでこんなっ…」
流れで言えばなくもないけどさ…
いきなりソレはっ、急展開過ぎるだろ?
オレだって色々と、心の準備とか…
いやいや、そういう問題じゃなくてだな…
「そう…言われても、な…」
“我慢出来そうにない────”
そう、男らしくも綺麗な顔で告げるルーは。
珍しくねだるように、じっと上から見つめてくる。
むうう…ダメだって解ってるのに~…
オレだってずっとずっと、我慢してきたんだ。
それをこんな絶好のタイミングで、
好き合えた相手から、欲しいって言われたらさ…
「もう…ルーの好きに、していーよ…」
嫌だなんて、言えるわけないじゃん…
「あっ…で、でもっあんまり激しいのは、ダメっ…だから…」
早速とばかりにオレの身体に触れてくるルーを制して、念を押せば…
「解ってる…今は触れるだけでも構わないから。お前を、感じたいんだ…」
そう熱く囁いて、口付けを落とした。
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