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⑨
「や、そこは…だめッ…」
ルーの指が動く度、身体は弓形 に跳ね上がり。
一際強い快感を覚えて、潤む瞳で訴えたら。
指は胸の突起を捕え、次には舌で熱く舐め取られて…
そこから電流が全身を駆け巡り、オレは無意識に悲鳴を上げた。
「少しだけっ…て、」
…言ったのに。
クラクラする思考が、本能的な涙を溢させる。
「すまない…セツを前にすると、抑えが効かなくなるんだ…」
平謝りするルーの眼は、言葉とは裏腹にスゴく厭らしくて。舌先はそのまま、ちろりと突起を弄ぶから…オレの心も同様に、翻弄されてしまう。
「セツが、嫌なら…」
しない……とか。
じゃあなんで、そんな眼でオレを捕えようとするのか…。
ほんと、ルーはズルイ。
大好きな人に求められて、そんな風に誘惑されて。
「イヤじゃないから、困んだよ…」
オレも大概、欲深いから。
キスをせがんで口を開き…ルーの顔を引き寄せた。
「んんっ……」
ぴったりと身体をくっつけ、唇を貪られ。
同時に胸も攻め立てられ…オレは喘ぐ。
忽ち熱は膨れ上がり、下半身のソレも随分前からキツそうに主張してたから…
「はぁ…セツ……」
「あッ…る、ぅ…」
キスで繋がったまま、無意識に名を囁くルーは。
余裕無いオレとは裏腹に、器用にオレの下着へと手を伸ばすと。ふるりと猛るソレを取り出して…
自らのモノも同様に、片手で一纏めにして収める。
「やっ……な、に…」
「大丈夫、気持ち良くするだけだから…」
本能的に逃れようとするオレの目尻にキスを落とし、宥めて。ルーは反対の腕をベッドに突いたまま、握ったソレに力を込めた。
先走る互いのモノは、すぐに湿った音を立てて…ゆっくりと上下し始める。
「はぁ……ああっ……」
「っ……セツ…」
初めての時は、下半身を押し付け合うだけだった行為が。今度はルーの手の圧が加わり、より刺激的になる。
加えてルーのソレとぴったり密着し…
ルーの手が触れているという事実に。オレの理性はドロドロと、素直に悦へと堕ちていった。
男同士だからこそだろうか…
ルーに施されるこの行為事態が、どこか背徳的なものを抱かせ…
スゴく、気持ちイイ────…
「んっ…あっ、ダメ…ッ…」
「何が、駄目なん、だ…」
甘ったるく喘いでおいて…イヤだと泣きじゃくるオレに。ルーはあやすみたく、顔中にキスを落としてくれるけど。
手の動きは止めてはくれないから。
オレは更に翻弄され、ボロボロと涙を流す。
「気持ちイイからっ、ダメなん…だってばぁ…!」
「っ……!」
堪らず叫んだら、ルーから余裕無い息遣いが漏れ出て…意地悪くも、手の動きが早められてしまう。
「なら、一緒に…良くなろう…セツ…」
「んあッ…はっ……」
昂っていくソレに合わせ、加速する律動。
こうなるとルーも呼吸を荒げ、額に汗を滲ませて。じっとオレを見下ろしてくる。
その眼はただオレだけを映し、オレだけを求め…妖しく光を放ち。
溶かされるオレの心を、欲しいままに捕えては…
骨の髄まで余すことなく、喰らい付くそうとするんだ。
「あっ、も…イっ……」
ぐちぐちと音を鳴らし、先走りの蜜が聴覚をも犯す。覆い被さるルーの息遣いとオレの浮わついた喘ぎ声、上下する度に軋むベッドの音に。
もう限界まで、追い詰められているから。
「あっイッ……ああっ…!!」
導かれるまま、一際歓喜する身体は早々と欲を吐き出して。
「セツ…っ……!」
ルーもまた、少し間を置いて達し。
勇ましいソレから、ドクリと多量の熱を解き放った。
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