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「や、そこは…だめッ…」 ルーの指が動く度、身体は弓形(ゆみなり)に跳ね上がり。 一際強い快感を覚えて、潤む瞳で訴えたら。 指は胸の突起を捕え、次には舌で熱く舐め取られて… そこから電流が全身を駆け巡り、オレは無意識に悲鳴を上げた。 「少しだけっ…て、」 …言ったのに。 クラクラする思考が、本能的な涙を溢させる。 「すまない…セツを前にすると、抑えが効かなくなるんだ…」 平謝りするルーの眼は、言葉とは裏腹にスゴく厭らしくて。舌先はそのまま、ちろりと突起を弄ぶから…オレの心も同様に、翻弄されてしまう。 「セツが、嫌なら…」 しない……とか。 じゃあなんで、そんな眼でオレを捕えようとするのか…。 ほんと、ルーはズルイ。 大好きな人に求められて、そんな風に誘惑されて。 「イヤじゃないから、困んだよ…」 オレも大概、欲深いから。 キスをせがんで口を開き…ルーの顔を引き寄せた。 「んんっ……」 ぴったりと身体をくっつけ、唇を貪られ。 同時に胸も攻め立てられ…オレは喘ぐ。 忽ち熱は膨れ上がり、下半身のソレも随分前からキツそうに主張してたから… 「はぁ…セツ……」 「あッ…る、ぅ…」 キスで繋がったまま、無意識に名を囁くルーは。 余裕無いオレとは裏腹に、器用にオレの下着へと手を伸ばすと。ふるりと猛るソレを取り出して… 自らのモノも同様に、片手で一纏めにして収める。 「やっ……な、に…」 「大丈夫、気持ち良くするだけだから…」 本能的に逃れようとするオレの目尻にキスを落とし、宥めて。ルーは反対の腕をベッドに突いたまま、握ったソレに力を込めた。 先走る互いのモノは、すぐに湿った音を立てて…ゆっくりと上下し始める。 「はぁ……ああっ……」 「っ……セツ…」 初めての時は、下半身を押し付け合うだけだった行為が。今度はルーの手の圧が加わり、より刺激的になる。 加えてルーのソレとぴったり密着し… ルーの手が触れているという事実に。オレの理性はドロドロと、素直に悦へと堕ちていった。 男同士だからこそだろうか… ルーに施されるこの行為事態が、どこか背徳的なものを抱かせ… スゴく、気持ちイイ────… 「んっ…あっ、ダメ…ッ…」 「何が、駄目なん、だ…」 甘ったるく喘いでおいて…イヤだと泣きじゃくるオレに。ルーはあやすみたく、顔中にキスを落としてくれるけど。 手の動きは止めてはくれないから。 オレは更に翻弄され、ボロボロと涙を流す。 「気持ちイイからっ、ダメなん…だってばぁ…!」 「っ……!」 堪らず叫んだら、ルーから余裕無い息遣いが漏れ出て…意地悪くも、手の動きが早められてしまう。 「なら、一緒に…良くなろう…セツ…」 「んあッ…はっ……」 昂っていくソレに合わせ、加速する律動。 こうなるとルーも呼吸を荒げ、額に汗を滲ませて。じっとオレを見下ろしてくる。 その眼はただオレだけを映し、オレだけを求め…妖しく光を放ち。 溶かされるオレの心を、欲しいままに捕えては… 骨の髄まで余すことなく、喰らい付くそうとするんだ。 「あっ、も…イっ……」 ぐちぐちと音を鳴らし、先走りの蜜が聴覚をも犯す。覆い被さるルーの息遣いとオレの浮わついた喘ぎ声、上下する度に軋むベッドの音に。 もう限界まで、追い詰められているから。 「あっイッ……ああっ…!!」 導かれるまま、一際歓喜する身体は早々と欲を吐き出して。 「セツ…っ……!」 ルーもまた、少し間を置いて達し。 勇ましいソレから、ドクリと多量の熱を解き放った。

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