252 / 423

「はぁッ…は……」 余裕無く腕を突くルーは、軽くオレに身体を預け荒々しい息を吐く。オレも余韻に身を任せ、深呼吸した。 「ねぇ、ルー…」 まだ熱も冷めやらぬうちに口を開けば、ルーも顔をもたげ、オレを見下ろし。 その瞳はうっとりと色気を放ち、オレを縫い止める。 「ルーは、さ……」 これを聞くのには勇気が要るけれど。 オレは意を決し…おずおずと、言葉に紡ぐ。 「オレのこと、抱きたいって…思う…?」 ずっと気になってた。 もうここまでシちゃってるけども…抵抗とか、無いのかなって…。 「そのっ…男同士のやり方は…さ、」 この世界の恋愛事情とかは、よく知らないんだけど…。 唐突な質問に、少し戸惑いを見せるルーだったが…。一度目を閉じると、すぐに答えてみせた。 「知っている。…特に騎士の間では、そう珍しいものでもなかったからな…」 武士とか男のみの社会だと、小姓とか衆道っていう文化も存在はしてたから…騎士にも似たような風習が、ありはするのだと…ルーは語る。 「じゃ、じゃあ…もし、だよ?そのっ…オレがルーに抱いて欲しいって、言ったら……ルーは、抱ける?」 自信の無さから、逃げ道を作るような問い方をするオレに。ルーは迷いも無く、 「抱ける…抱きたいに決まっている…」 愛しているから。 ルーは切なげに告げるも…しかしと、語尾を濁す。 「私には経験も知識も、全く無いから…」 恋人も婚約者もいなかったという、ルーは。 こんな淫らな行為どころか…キスさえも。オレが初めてなのだと、真顔で打ち明ける。 「急いてお前を傷付けたくはないし。今はこうして触れ合えるだけでも、私は充分幸せだからな…」 かなり自制はしているが…と、ルーは悪戯に苦笑した。 「そっか…なら良かった…」 もし拒絶されたらって、不安だったけど…。 「セツこそ、平気なのか…?」 その……と、ルーは口ごもる。 たぶんオレが、って聞いたから…なんだろうけれど。 そりゃそうだよね… これだとオレの方が負担とか、抵抗が大きくなっちゃうんだもんね…でも。 「オレはいつだってルーに触って欲しいし。抱かれたいって、思ってるよ…。」 そこははっきりと、偽り無く晒け出す。 だってこれが本心なんだから。隠したってしょうがないもんね…。 「っ…それは、マズイな…」 口元を押さえるルーは真っ赤になり、目を反らす。 「だが、今は耐えねば…」 それでもオレの身体を労り、衝動を圧し殺すかのように大きく溜め息を吐いた。 「待ってるよ…オレはいつでも覚悟が出来てるから、ね…?」 ふふ…と笑い、ルーの首筋に腕を伸ばし引き寄せる。 「セツ…」 本番はまだ。でも…これくらいなら良いよね? そうして誘うように、欲にまみれたままの下半身の再燃を知らしめる。 「もっかい、する…?」 「ん……」 ルーもオレの押しには弱いから、あっさりと受け入れて。 キスをくれた後、 また愛おしくも淫靡な行為に勤しむのだ。

ともだちにシェアしよう!