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下着とローブのみを身に付け、次はいよいよ儀礼用の衣装へと着替えるのだが。 「セツ様は肌がとても白く、お綺麗ですね!」 「そ、そうかな…?」 「はい!黒髪も柔く艶やかで…羨ましい限りですわ~!」 衣装だけでなく、儀式に合わせ化粧も施すそうで。その役を担うのは、神子の屋敷でお世話になっているメイドさん達。…そう、アリシア様の彼女達である。 なんだかデジャブなこの現状は勿論、気の所為なんかじゃない。 「腰も細く…此度の衣装も、きっと映えますわね~。」 「あー…だといいんだけど…」 どのみち逃げ道は無いのだ。 なので潔く腹を括り、メイドさん達にキャッキャッと人形の如く着替えさせられると… 『セツ様……素敵ですわ~!!』 メイドさん達が一斉にそう告げるので。 恐る恐る鏡を見てみると… 「わぁ…」 なんだろう…男らしい、とは言えないけれど。 決して女性物でもなく、中性的というか…けど如何にも聡明な術師みたいなイメージで、それっぽく見えるというか。 化粧もしてるからかな、意外と悪くないかも… なんだかオレじゃないみたいだ。 「セツ。」 食い入るように鏡を見ていたら、名を呼ばれて。 弾かれ振り返ると… 『あ……』 互いの姿に、つい魅とれてしまう。 (どうしよう…) 目の前に現れたのはルーファスで。 今は儀礼用の騎士服を纏い、目前で優雅に佇む。 白地に金糸の刺繍が施された衣装は、ルーの整った顔に映えキラキラと輝いて見えて。 長めの蒼髪はサイドから後ろで結われ…そこから覗く耳飾りは、何気に神子のオレが着けてるそれとお揃いみたいだった。 何より… 「ルー、カッコいい…王子様みたいだ…」 オレはうっとりと、着飾ったルーの姿にぽつりと本音を漏らし。 「それを言うなら、セツこそ綺麗だ…」 まるで女神のように。 ゆっくりと近寄り、髪に軽く触れるルーは。 まるで太陽でも見るかのよう…目を細める。 「化粧とか、やっぱ慣れなくて…」 ヘンじゃないかなっ…?オレ男だし。 顔にペタペタ塗りたくられるのだって違和感あるというか…。恥ずかしくなって俯いたら。 「もっと良く見せてくれ、セツ…」 甘い声でねだられ、指で顎を掬われちゃうから。 オレの心臓は緊張とはまた違った意味で、更に熱を上げるのだった。 あ~…もっかい禊したい… このままだと、オレの心臓が持たないよ…。

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