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「…ふぅ……」 光が消え去り、オレは目を開く。 辺りを見渡すと、皆揃って言葉を失い…オレを見ては茫然としていて。 オレはゆっくりと立ち上がるのだけど… 「あっ…」 立ち眩みにより、ガクンと膝の力が抜けてしまい。咄嗟にルーとアシュが反応したのが視界に入る。と… 「セツ…」 「あ…ありがと、ルー…」 先に手を伸ばしたルーに抱き止められ、事なきを得た。アシュは苦笑しながらも、成り行きを見守っていたけど…。 「セツ殿。」 「アリシア様、えっと…たぶんもう、大丈夫…です。」 断言するには性格的に自信が無かったから、曖昧ではあるものの…儀式が成功したことを伝えたなら。 「セツ殿の寛大なるその御心に、感謝致します。」 感極まり涙するアリシア様の一声の後、堂内に参列者の歓声がこだました。 「セツ殿…我々騎士団からも、御礼申し上げまする。」 「そんなっ、オレがしたくてやったことですから…」 オリバーさん達騎士団も、跪き恭しく敬礼をし。 ルーに支えられながらも、オレは恥ずかしくて(かぶり)を振る。 「セツ殿の仰る通り、神子の祝福が満ちているのが感じられますから。この結界は、きっとこの国を…永らく護って下さることでしょう。」 ありがとうと、柔和に告げるアリシア様に。 オレも笑顔で応える。 「セツ…良かったな…」 「…ルーこそ、ありがとう。」 ご苦労様と告げるルーを見上げたら、優しく微笑まれて。それはルーのおかげだよって、こっそりと指輪を示すけど。ルーはやんわりと否定して、 「私は何も…セツの祷りが、女神の奇跡を呼び起こしたのだから。」 大好きな人に、こうして認めてもらえたのだから。それだけで…オレの心は救われるのだ。 「セツ~!」 ロロとジーナも興奮気味に駆け寄り、アシュとヴィンも顔を見合せ、互いに穏やかな表情を浮かべる。 「セツ殿…まだ体調が優れない中、本当にお疲れ様でした。魔王城への遠征までは、まだ猶予がございますし…暫くはお体をご自愛頂き。今後の方針については、追ってご連絡致しますから。」 「あ、それなんですけど…」 オレの身を案じ、労うアリシア様だったけれど。 おずおずと申し出る。 「ジークとの決戦前に、神淵の森にも行きたいと思ってて…」 儀式が成功したらって、考えてたんだ。 あそこの結界も一度視察に向かっただけで、結局手付かずのままだったし…。何より、 「あの森の結界も修復出来たら、孤児院も少しは安全になるんじゃないかなって。子ども達には、何度も辛い思いをさせてしまったから…」 早く日常を取り戻してあげたい、そう真摯に思いを伝えれば。 「…セツ殿のお心遣いには、感服致しますわ。ですがまずは、御身を大事になさって下さいね?」 「はい、ありがとうございます。」 確かに…結界の修復には、かなり体力を使うから。 森にも行くなら、ちゃんと体調管理しとかなきゃだよね。中途半端にはしたくないし。

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