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「気にすんなよ、セツ。ルーはアイツらになんか全然興味無ぇんだからさ。」 ジーナは励ましてくれたけれど。 結局はロロと共に年若い令嬢達に捕まり…オレは独りぼっちにされてしまう。 (別に、いつものことだし…) ここでの生活に慣れたのと一緒で、ルー達が女子達にちやほやされんのも恒例行事なわけで。 どうってことは、ない…はずなんだけど…。 (なんか…) 貴族の女の人って、もっとおしとやかで控えめで。奥手なイメージがあったのにな… 「野蛮な魔族が出してきた条件を鵜呑みに、ルーファス様おひとりが責を追わなくても宜しいのではなくて?」 「いえ、心配には及びませんので…」 言ってさりげなく、ルーの腕に絡み付く令嬢に。 (ちょ…さ、触り過ぎじゃない…?) オレは心中ざわついて、ツッコまずにはいられなくなる。 (しれっと腕回すとかさ…) 現代の女の子並みに、肉食感ハンパないんですけど?ルーが女性に強く出れないのを逆手に、めちゃくちゃグイグイ攻めるし…。しかも、 「いくら神子様の守護騎士でもズルイです~。ルーファス様達を独り占めだなんて…」 (特にあの小悪魔っぽいコ、下心丸出しじゃんっ…) 群がる令嬢の中でも、一際ルーにアプローチする女の子は。身に付けるドレスも飛び抜けて際どく、如何にもな仕草でアヒル口を尖らせる。 更には、自身の胸を押し付けるよう引っ付いてくるから… (胸でかっ…上目遣いこわっ…) …ルーが浮気するかもとか、女の子に迫られてデレデレするだとかは思っちゃいない。 現に今も、あんな巨乳当てられて誘惑されてんのにも関わらず…アイツの顔はビックリするぐらい冷ややかな顔をしてるからね…。 それでも、やっぱりルーだって男だし。 万が一ってこともあるわけだから。 いや、そもそもルーはオレの…恋人、なんだから… だから… 「神子様が来てから、ルーファス様と全然会えなくなって寂しかったんですのよ~?ただでさえ公の場には、あまりいらして下さらないですし~…」 (むぅ…ここに来る前なら、ああいうコも可愛いって思えたかもだけどっ…) 女子達が、男の前でだけ豹変する女の子を嫌ってるってのは、よく聞く話ではあったけども。 こうして、いざ自分がに立ち、改めて見ると… (あざといな…) その女子達の気持ちが、嫌でも理解出来てしまう。 なんかもうさ、あのコの独壇場だし。 見てる傍から、ルーの腕をぎゅむっと胸に挟んじゃってるしっ…。 (オレがいるのにっ…) …モヤモヤする。だって、だって、ルーはオレの…

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