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④
「気にすんなよ、セツ。ルーはアイツらになんか全然興味無ぇんだからさ。」
ジーナは励ましてくれたけれど。
結局はロロと共に年若い令嬢達に捕まり…オレは独りぼっちにされてしまう。
(別に、いつものことだし…)
ここでの生活に慣れたのと一緒で、ルー達が女子達にちやほやされんのも恒例行事なわけで。
どうってことは、ない…はずなんだけど…。
(なんか…)
貴族の女の人って、もっとおしとやかで控えめで。奥手なイメージがあったのにな…
「野蛮な魔族が出してきた条件を鵜呑みに、ルーファス様おひとりが責を追わなくても宜しいのではなくて?」
「いえ、心配には及びませんので…」
言ってさりげなく、ルーの腕に絡み付く令嬢に。
(ちょ…さ、触り過ぎじゃない…?)
オレは心中ざわついて、ツッコまずにはいられなくなる。
(しれっと腕回すとかさ…)
現代の女の子並みに、肉食感ハンパないんですけど?ルーが女性に強く出れないのを逆手に、めちゃくちゃグイグイ攻めるし…。しかも、
「いくら神子様の守護騎士でもズルイです~。ルーファス様達を独り占めだなんて…」
(特にあの小悪魔っぽいコ、下心丸出しじゃんっ…)
群がる令嬢の中でも、一際ルーにアプローチする女の子は。身に付けるドレスも飛び抜けて際どく、如何にもな仕草でアヒル口を尖らせる。
更には、自身の胸を押し付けるよう引っ付いてくるから…
(胸でかっ…上目遣いこわっ…)
…ルーが浮気するかもとか、女の子に迫られてデレデレするだとかは思っちゃいない。
現に今も、あんな巨乳当てられて誘惑されてんのにも関わらず…アイツの顔はビックリするぐらい冷ややかな顔をしてるからね…。
それでも、やっぱりルーだって男だし。
万が一ってこともあるわけだから。
いや、そもそもルーはオレの…恋人、なんだから…
だから…
「神子様が来てから、ルーファス様と全然会えなくなって寂しかったんですのよ~?ただでさえ公の場には、あまりいらして下さらないですし~…」
(むぅ…ここに来る前なら、ああいうコも可愛いって思えたかもだけどっ…)
女子達が、男の前でだけ豹変する女の子を嫌ってるってのは、よく聞く話ではあったけども。
こうして、いざ自分が同じ土俵に立ち、改めて見ると…
(あざといな…)
その女子達の気持ちが、嫌でも理解出来てしまう。
なんかもうさ、あのコの独壇場だし。
見てる傍から、ルーの腕をぎゅむっと胸に挟んじゃってるしっ…。
(オレがいるのにっ…)
…モヤモヤする。だって、だって、ルーはオレの…
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