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⑦
「なにそれ…余計にややこしくなってんじゃんか…」
「元々はセツが巻いた種だろ~。」
自業自得だってジーナに言われたら、何にも言えないし…。
「ルー、なんとかしてよ~!」
「ん?良いんじゃないか?その方が都合も良いし…」
さっきからニコニコ顔が緩みっぱなしのルーは、全然役に立たないから。この先不安でしかないんですけど?
「ルーの言う通り、晴れて女王様公認の仲になれたんだから…」
(やっと、叶ったんだろう…?)
オレだけに聞こえるよう耳打ちするアシュを、はっとして見上げたら…とても優しい瞳とぶつかって。
…アシュにはルーとのことで随分と弱いところを、見せちゃったから…ずっと心配してくれてたんだと思う。
あの時は、ホント追い詰められてたしなぁ…
アシュだけじゃなく、ロロ達にも迷惑掛けてしまったし。
(あ…そうだ…)
オレ大事なこと、忘れてる。
「あの、さっ…アシュ、ロロ、ジーナも…」
ヴィンには改めて伝えなきゃ。これは大事なこと、
だから。
「みんなには、散々迷惑かけてたけど…」
今更改まって話すのは、かなり恥ずかくて。でも…
「オレ…ずっとルーのことが、好きでっ…」
色々あってギクシャクしたりもして。
それでもやっと、想いも伝えられたから。
「みんなのおかげで、ちゃんと好きだって言えたから…」
だから、ありがとう…
そう感謝を込めて、深く頭を下げたら。
「ははっ…そんなの始めっから知ってるよ。」
「セツもルーも分かり易いのにね~。なんですれ違ってたのか、不思議でしょーがなかったんだよ?」
「えぇ…?」
どんな反応が返ってくるのかと緊張してたのに。
ジーナとロロは苦笑しながらも、おめでとうと返してくれて。
「あれだけ頑張ったんだからね。心から祝福するよ。」
アシュも嬉しそうに、オレの頭を撫でてくれた。
ちなみにルーファスは…
「おっ…ルーのヤツ、めっちゃ赤くなってんじゃ-ん!」
「ばっ…大人をからかうんじゃないっ…」
顔を隠し、明後日の方を向いてしまうルーは耳まで真っ赤になってて。
この瞬間をオレは、とても愛おしく思う。
(幸せ、だなぁ…)
まだ魔族との戦いが控えてるし、全てはこれからなんだけど。
「ルー!」
「っ…セツ…」
帰ろうと、ルーの腕を掴む。
みんなの前で全部打ち明けたことで、少しだけ大胆にもなれて…。
けど本音は照れ臭いから、ルーと同じくらいオレも真っ赤になってんのがバレないように。
火照る身体で風を切りながら、大好きなこの手を引いて。オレは帰路に向け、駆け出していた。
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