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「…まだ気にしてんの?」 「いや…」 あれからルーとオリバーさんも、互いに謝罪し合い。なんとかわだかまりも解け、事なきを得た…その日の夜。 ルーはオレを泣かせてしまった負い目を、ズルズルと引き摺り続け…お決まりのようにオレはコイツを自室へと、半ば強引に連れ込んだわけだけど…。 「オリバー殿にも、失礼な態度を取ってしまったし…セツを、泣かせてしまったから…」 ベッドに並んで腰掛け、ルーは視線をさ迷わせたまま言葉を濁す。 「…ルーはさ、オレがオリバーさんのコトを好きになるとか思ってんの?」 これ以上ややこしくしたくなかったので、直球で確信に迫ってみれば。あからさま動揺したような目で、ルーはオレを振り返ってくる。 「…いや、そうではなくて…」 オリバーさんは憧れの存在であり、騎士としても人としても、全てにおいて尊敬しているのだと…ルーは語り始め。 「そんな方とセツが、仲睦まじく話していたりすると…劣等感というか、」 自身ではまだ到底敵わなぬ存在。 だからこそ、不安になる。それは、 「だからこれは、ただの…嫉妬だ。」 そんなの必要無いのに。 けどオレだって昨日、ルーが女の子達に囲まれて。(いだ)いてしまった感情が、まさにそれだったから…。 否定は出来ず…触れ合う肩に、頭を預ける。 「オレ達って、とことん不器用だね…」 「…そう、だな。私自身、ここまで嫉妬深い人間だとは思いもよらなかった。」 お互いに、本気で誰かを求めたことが無かったから… 「オレもだよ…すぐヤキモチ妬いちゃうもん…」 目が合ったら、触れてキスを交わし、確め合う。 ふたりきりこうしてれば、満たされているのにね。 この気持ちに際限は無く、もっともっとって…欲張りになってしまうから。 「ねぇ、ルー…」 シよっかって、ルーを見上げ誘う。 「明後日には出発だし。こんな風に、ふたりきりの時間だってそうそう無いだろうから、さ…」 ダメかな…?…と、物欲しそうな声まで出して。 けど、ルーに触って欲しいって思いのが強いから。 「駄目なわけがないだろう…」 好きだと囁き、キスで返して…とすんと押し倒される。 不安を打ち消すために手を広げ、もう一度ねだれば。少しだけ余裕なく奪われた。 激しめのソレに、頭の中がとろんと一瞬にして溶かされていく。 「んっ…ああっ…」 離されたルーの唇が首筋に埋められ、キツく吸われるものだから…堪らず声が漏れる。 それが幾つも刻み込まれ、同時に寝巻きをたくし上げられると。ルーの大きな手が、するりと中へ入ってきた。 その指が、すぐに胸の突起を弄び始め… またも悲鳴のような声が漏れ出る。 「あっ…舐めない、でっ…」 ルーの舌が次には胸元に這わされたかと思えば、先でつつくよう愛撫されて。身体は大袈裟なくらい痙攣してしまう。 男でも胸がこんなに敏感だなんて。 容赦なく与えられる、甘美な刺激と羞恥心に…オレの目にはじわりと涙が滲んだ。 「ここは嫌か…?」 「んぅ…はずかし、よっ…」 意地悪く舌先を這わせたままのルーは、豹変した獣のように捕らえて離しはせず。オレはされるがまま、掠れた悲鳴を発す。 そうして抵抗する気力さえ失えば、ルーは遠慮など一切無しに…下半身をも翻弄しに掛かってくるのだ。

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