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②
「…………」
「セツ、大丈夫か?」
段々と無言になるオレに気付いたルーが、声を掛けてきたから。
「ん~~?」
なんだかぽやんとしてきた頭をもたげ、ルーを見上げる。
「もしや…酒を飲んだのか…?」
「あっ…間違ってボクの葡萄酒、渡しちゃったんだ~。ごめ、セツ…」
ようやく事態を把握したロロが、慌て始め。
そんな遣り取りに気付いたアシュも酒の手を休め、此方へと意識を向けた。
「おやおや、結局飲んじゃったのかい?」
「メチャクチャ楽しそうだな、アシュは…」
ほろ酔いのアシュは、ニヤニヤしながらオレを見やり。ジーナが呆れたよう嘆息を漏らす。
「セツ、気分は悪くないか…?」
ルーがオレの肩に手をやり、顔を覗き込む。
(あー…ルーだ…)
なんでかな~、すっごくふわふわする…から。
オレはルーに両手を伸ばして。
「るう、かぁっこいいねぇ~。」
うふふと笑って、ルーの首に抱き付いた。
ルーは何故だか驚いた顔をして、緊張したよう身体をピシリと強張らせるから。
「セっ…」
「るう、すき~…だぁいすきだよ~。」
すっごく気分が良く、無性に甘えたくなったから。ふにゃふにゃ顔を緩め、ちゅっとルーのほっぺたにキスしてあげた。
すると…急にみんながざわざわし始めちゃった。
「なっ…セツ、どうしたんだいきなり…」
「え~だってルーがすきなんだも~ん~。」
ルーは恥ずかしがってるようだけど、気にせず擦り寄って。ちゅっちゅとほっぺたに、いっぱいキスしてあげる。
「あ~…なるほど。こうなっちゃうんだねぇ、セツは。」
そしたらアシュが何か呟いた気がしたけど。
オレの頭は今クラクラしてるから、良くわかんない。
でも、
「良いな~ルーばっかり…ボクもセツにチューして欲しいよ~。」
隣のロロが、そんなことを言い出したので。
「ん~…ロロ~?」
オレはくるりと向き直ると、今度はロロへと抱き付いた。
「え、セツ…?」
「ふへへ…ロロもだいすきだよぉ~。」
ほんとのことだから伝えたくて。
ロロのすべすべなほっぺたにも、ちゅっとしてあげたら。珍しく真っ赤になってしまい…ルーのことをチラチラと気にしていたけど。
今はロロの順番こなので、オレはやらかい桃色の髪をイイコイイコしてあげた。
「あ───…セツ、そりゃさすがにマズイって…」
そうすると今度はジーナが立ち上がり、オレの肩へ手を置いて引き離そうとするから。
「ジーナもちゃんとすきだよ~。」
そかそか、ジーナも甘えんぼしたかったんだなぁと至り。オレも立ち上がって、赤いツンツン頭を抱き寄せると。おんなじようにほっぺたにキスしてあげた。
途端にぴしりと固まってしまうジーナ。
ふはは、もしかして照れてるのかなぁ~?
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