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「…………」 「セツ、大丈夫か?」 段々と無言になるオレに気付いたルーが、声を掛けてきたから。 「ん~~?」 なんだかぽやんとしてきた頭をもたげ、ルーを見上げる。 「もしや…酒を飲んだのか…?」 「あっ…間違ってボクの葡萄酒、渡しちゃったんだ~。ごめ、セツ…」 ようやく事態を把握したロロが、慌て始め。 そんな遣り取りに気付いたアシュも酒の手を休め、此方へと意識を向けた。 「おやおや、結局飲んじゃったのかい?」 「メチャクチャ楽しそうだな、アシュは…」 ほろ酔いのアシュは、ニヤニヤしながらオレを見やり。ジーナが呆れたよう嘆息を漏らす。 「セツ、気分は悪くないか…?」 ルーがオレの肩に手をやり、顔を覗き込む。 (あー…ルーだ…) なんでかな~、すっごくふわふわする…から。 オレはルーに両手を伸ばして。 「るう、かぁっこいいねぇ~。」 うふふと笑って、ルーの首に抱き付いた。 ルーは何故だか驚いた顔をして、緊張したよう身体をピシリと強張らせるから。 「セっ…」 「るう、すき~…だぁいすきだよ~。」 すっごく気分が良く、無性に甘えたくなったから。ふにゃふにゃ顔を緩め、ちゅっとルーのほっぺたにキスしてあげた。 すると…急にみんながざわざわし始めちゃった。 「なっ…セツ、どうしたんだいきなり…」 「え~だってルーがすきなんだも~ん~。」 ルーは恥ずかしがってるようだけど、気にせず擦り寄って。ちゅっちゅとほっぺたに、いっぱいキスしてあげる。 「あ~…なるほど。こうなっちゃうんだねぇ、セツは。」 そしたらアシュが何か呟いた気がしたけど。 オレの頭は今クラクラしてるから、良くわかんない。 でも、 「良いな~ルーばっかり…ボクもセツにチューして欲しいよ~。」 隣のロロが、そんなことを言い出したので。 「ん~…ロロ~?」 オレはくるりと向き直ると、今度はロロへと抱き付いた。 「え、セツ…?」 「ふへへ…ロロもだいすきだよぉ~。」 ほんとのことだから伝えたくて。 ロロのすべすべなほっぺたにも、ちゅっとしてあげたら。珍しく真っ赤になってしまい…ルーのことをチラチラと気にしていたけど。 今はロロの順番こなので、オレはやらかい桃色の髪をイイコイイコしてあげた。 「あ───…セツ、そりゃさすがにマズイって…」 そうすると今度はジーナが立ち上がり、オレの肩へ手を置いて引き離そうとするから。 「ジーナもちゃんとすきだよ~。」 そかそか、ジーナも甘えんぼしたかったんだなぁと至り。オレも立ち上がって、赤いツンツン頭を抱き寄せると。おんなじようにほっぺたにキスしてあげた。 途端にぴしりと固まってしまうジーナ。 ふはは、もしかして照れてるのかなぁ~?

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