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②
「魔王城の森って、そんなに危険なのか…?」
まだラルゴと交わした期日までは、一週間くらいあるのに。…ってことは、城跡への道程が険しいんじゃないかと思ったんだが…。
「神淵の森よりは魔物も手強いし、道もぬかるんでるからなぁ~。」
俺達は余裕だけどって、ジーナは軽く言ってのけるけど。
「いや、ヴィンは我々よりセツの身を案じているのだと思うが…」
「え、オレ…?」
「そうですよ、セツ。貴方は森にも魔物にも不慣れでしょう?」
まあそれは…神淵の森で、嫌というほど思い知らされたからね。
騎士団だったら、余裕に見繕っても2~3日程で魔王城に辿り着けるらしいし。
なんなら途中にある基地にも、わざわざ寄る必要もないそうだから。言われてみれば…って話だよね。
「う~…どうせオレは足手まといデスヨ…。」
解るけどさ…なんか嫌じゃん?
ただでさえみんなにも騎士団にも、迷惑かけまくってんのにさ…。
オレがあからさまヘコみだすと、ルーが優しく頭を撫でてきて。
「そんなことはない。セツの力は、私を蘇らせるほどの奇跡を呼び起こせるのだから。」
神子の力は唯一無二。
この世界の誰にも使えないし、守護騎士はその神子を護る為に存在するのだから…と。ルーは励ましてくれる。
「言い方が悪かったのかもしれませんが…貴方には無理を承知で、来て頂いてますので…」
珍しく謝罪を口にするヴィン。
そっか…ヴィンなりに、オレのことを心配してくれてたんだな…。
言葉こそ厳しい印象があるけれど、なんだかんだ仲間のことを考えてこそ…だろうから。
やっぱり優しいよね、ヴィンは。
「いいよ。ヴィンがオレのこと考えてくれてるってのは、ちゃんと解ってるから。」
ありがとうと微笑んで伝えたら、ヴィンは一瞬面食らったように目を見開いたけど。次には照れ臭そうに笑ってみせた。
食事も手早く済ませ、オレ達も急いで騎士団が集合する場所へと向かう。
「あれ…なんだか人数少ないね?」
建物前の広場に集う騎士さん達は明らかに少なく、
オレが疑問符を浮かべていると。オリバーさんが反応して答える。
「森の入口に陣営を組む為と…念のため、偵察部隊を先に向かわせましたので。」
森の中を騎士団全員で、ぞろぞろと進むのは無理があるから。オレと守護騎士を含む少人数で編成を組んで、移動するんだそうだけど。
一緒に来た騎士団の半数は、状況次第で迅速に動きが取れるよう…森の入り口で待機するのだという。
…で、本隊はオレの足に合わせて移動しなきゃいけないから。先に偵察隊を送って、ある程度魔物の討伐をしたり。魔族側の様子を探ったり等…色々と最善を尽くしてくれてるってわけだ。
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