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⑥
「よしっ、じゃあ早速順番でも決めるかー。」
「え~ボク、一番最初が良いなぁ~!」
開き直ったオレは、ヴィンから紙とペンを借り。
ざっと9本の線を書くと…その下へランダムに数字を記していく。
「これは、なんだ…?」
「ん~?これは、あみだくじって言って~…」
更に数字の部分だけ折り曲げ見えないようにし、最後に横線を適当に書き足していけば…
「出来た!この線の一番上の好きな所にさ、自分の名前を書いてってよ。」
みんな興味津々と言った様子で、オレの回りを囲み。言われるがまま、早い者勝ちで名前を書いていく。
そして厳正なる、あみだくじの結果は…
「わ~い!ボクいっちば~ん!」
「あ…俺、二番手だわ…」
ロロは嬉々として万歳し、ジーナもなんだか照れ臭そうに頭を掻く。
「何故私が最後なんだ…」
「まあまあ、良いじゃないか。面白そうだし?」
意外にもくじ運の無かったルーは、しょんぼりと項垂れ…アシュが笑いを堪えながら慰めるという結果となっていた。
「ほんとに大丈夫か…?」
「よゆ~よゆ~。いっくよ~!」
「ひッ─────…ぎゃあああ~!!?」
…というわけで。
足手纏いなオレをみんなが交代でお姫様抱っこ…は無理というか、さすがに抵抗あるので。妥協案のおんぶをしてもらうこととなり…
見事一番手を引き当てたロロが、早速オレを背負ってくれたのだけども。
自分より年下で華奢なロロにおぶってもらうとか、どうなの?って思ったんだが…
実際ロロは、オレより遥かに腕力も体力もあるわけで。ひょいっと軽々オレを背負ったかと思えば、キャッキャとはしゃぎながら猛ダッシュし始めたので…。
人は見た目じゃ判らないものだな…と悟った。
「ひいえぇぇ~!!…もっと普通に歩いてよ~…!!」
「ちゃんと捕まってなきゃダメだよ~セツ~!」
絶叫を響かせながら、堪らずロロの首にしがみつくと。ロロは嬉しそうに笑い、更に速度を上げていくもんだから…生きた心地がしない。
むしろ自分で歩くより疲れそう…
とはいえルーが指摘した通り、こっちの方が断然早く進んでるのは確かなので。
潔く身を委ねるしか、ないんだけどね…。
「ロロ、そろそろ交代して下さい。」
「え~?まだまだ余裕なのに~…」
時間ですと、懐中時計を見やるヴィンに告げられ。名残惜しそうにオレを下ろすロロ。
「おっと…大丈夫か?」
地に足を置いた途端、絶叫マシンに乗った後みたいな感覚でふらついてたら。今度はジーナがやって来て、透かさず手を差し出して支えてくれた。
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