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⑦
「これでもかなり、浮わついているんだ…。」
すり…と握る手を指でなぞられ、堪らず目を逸らし俯くのだけど…。
「約束、した…よね…?」
ジークリッドとの戦いが終わったらって───…
ドキドキしながら、自ら切り出す。
恥ずかしいから、曖昧な物言いしか出来ないけど…
ルーにはちゃんと、伝わってるみたいで。
でも…
「あれは私が、一方的に言い出したことだし…今はセツも疲れているだろうから、無理強いは────」
「ルー…」
あくまでオレの身体を気遣おうとする、ルーの言葉を遮り。真っ直ぐに視線を交わす。
「オレはね、待ってたんだよ…」
今、どんな顔してるんだろう…。
顔中熱くて泣きそうで、自分で何を言ってるのかさえ分かんないくらい、思考はグチャグチャしてる…けど。
オレは…
「ルーに部屋に行くって言われて…抱かれるんだなって、そう解ってて…」
ずっと待ってたんだからな?
だから…
「今更、遠慮なんかしないで……オレの全部、奪ってよ…。」
覚悟してたとか、そんな綺麗事なんかじゃないよ。
答えは至って単純に、好きだからこそ貪欲に。
心だけじゃなく、身体ごと全部愛されたいって。
ただそれだけ、なんだからさ…
「っ………!」
言い切った途端、プツリと糸が切れたようルーによってベッドへと押し倒され…
唇を奪われる。
本当に余裕の無い、貪るような行為に。
胸の奥から愛おしさが込み上げた。
オレも応えるよう手を伸ばし、その背中へと夢中でしがみつく。
「ルーはっ…へーき…?オレなんかが、相手でっ…」
この期に及んで弱気になってしまうのは、オレが男でルーも男だから…で。
その言葉すら飲み込んで。
息吐く暇すら与えられぬまま、また口を塞がれる。
そうして大胆にも、寝間着の中へと手を忍ばされるものだから…身体は無意識に、ビクビクと打ち震えた。
「私とて、それこそ恋人となるずっと前から…耐えてきたんだ…」
キスは繋げたまま…うっすらと開いた瞳で縫い止めらると、もう逃れようが無く。
ギラギラと向けられる欲情に、心ごと射抜かれてしまうから。
「セツ…もう、止まれないからな…」
なんて顔で、オレを見てるんだろう…
こんな綺麗でカッコ良くて。
騎士としてもひとりの人間としても、スゴく魅力的で。
そんなルーに、欲しいなんて言われたらさ。
「止まんなくていいからっ…ルーの好きにしてよ…」
そんなの必要無いから、今すぐ奪って欲しい。
喜んで応えるオレもまた…
きっとスゴく、厭らしい顔をしていたんだろう。
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