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⑪
「何処かに気持ち良くなれる箇所が、あるらしいから…」
オレを傷付けないように。
入り口付近を解すような動きだけに留めていた指が、少しずつ奥の方へと沈められていき…
「はッ…あ、あっ…」
されるがままのオレは、バカみたいに奇声を上げ震えてしまうけれど。
(ッ…これは、まずいな…理性が保たん…)
「ふぇっ…?な、にっ…」
唸るように呼吸を乱すルーに、オレは首を傾げるも…
「や…なんでもない…」
そう余裕無く返され、指は何かを探るかのように。
ぐるり内部へと捩じ込まれていった。
すると…
「っ…ああッ…!!」
ルーの指が、お尻の中…何かしこりみたいなものを掠めた瞬間、ゾクゾクとそこから電気が走り抜けて。
ひと際甲高い悲鳴を上げてしまう。
「ここ、か…?」
「ひっ…や、そこっ…だめ、ああッ…!」
なのにルーは見つけたとばかりに、その部分を2本指で執拗に抉ってくるもんだから…。
オレはわけが解らなくなり…
情けないほど喘いでは、激しく首を振って涙を流した。
それでもルーの指は止まってはくれず。
徐々に抜き挿しするような動きに変え、グチュグチュと蕾の中を犯してく。
「もっやめっ……ゆび、ぬい…てよっ…」
変な声出ちゃうし、気持ち良い…のかさ判んないし。
頭の中は真っ白く、けれど確実に。
その言葉を否定するよう、オレの中心は芯を以て主張し始めているから。
ルーの指が上下する度ユラユラと、だらしなく蜜を滴らせながら…共に揺られ、まるでそれが歓喜してるみたいでスッゴク恥ずかしかった。
そんな淫らな自分が嫌で、手で顔を隠してみても…ルーはそれを許してはくれず。
無力な目隠しは、挿入された手とは逆のそれで呆気なく…引き剥がされてしまうのだ。
「セツ、可愛いな…」
「あっ…ばかっ…」
甘ったるく囁いて、愛おしげにキスを与える。
指の動きも段々と、激しく規則的に抜き挿しされていき…
「だめ、だめっ…これイッちゃう、からっ…」
「いいよ、セツ…」
ルーはそう言ってくれるけど。
オレはなんとか身を捩って、抵抗してみせる。
だって、だって…
「ひとりでイクなんて、やだよッ…オレは、るっ…と一緒が、いいもんっ…」
「っ…!」
やっとひとつになれる時が来たのに。
そんな寂しいこと、言わないでよ…
オレが泣きながら必死に懇願すると。
ルーは肩を揺らし、切なげに吐息を漏らした。
その顔は、なんだか辛そうに歪められてて…
それもそのはず、もう随分と前から。
窮屈そうに寝間着の中で、ルーのモノは硬く熱を…保っていたんだから。
「セツ…そのように煽られては、俺はっ…」
例え行為が初めてであっても、抑え切れなくなるからと…。
指を抜き取るルーは、どさりとベッドに手を付いてオレを見下ろしてくる。
オレを射止めた緑柱石の双眸は、なんとも厭らしい光を帯びていて…。
まるで獣。ならいっそ喰われてしまいたいと…
それほどまでに、魅惑的だったから。
「良いんだよ…煽ってんだから…」
グイとルーの首を抱き寄せ、自らぶつかるようなキスをする。
余裕なんて無い、オレだってもう…限界なんだ。
「早く、奪って…オレのこと…」
欲しいのはお互い様。
恥も何もかなぐり捨ててしまえば、いとも大胆に。
そうすればルーは、一度激しいキスを与えて起き上がると…猛る自身の熱を、ぶるりと取り出して。
「セツ、お前の全て───今宵…俺が貰い承ける。」
それはまるで、異国の騎士が。
お姫様でも拐いに来たかのような。
けれど声は低く、雄々しいほどの響きで以て。
(ルーの顔、スゴく綺麗で…ヤラシイ…)
オレの心を鷲掴み、もう離しはしないから。
「ん、いーよ…」
オレは喜んで、此の身を差し出すのだ。
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