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「あっあっ…はやっ…るう…!」 「はッ…すまない、セツ…止まれそうに、ないっ…!」 さっきまでの優しい前戯が嘘のように。 ルーは最初から、まるで全速力かってくらいの勢いで、オレを揺さぶってきて。 ガツガツと打ち付けられる度に。 甲高い悲鳴が、口をついて溢れ出す。 中を抉られれば、視界は火花を散らして真っ白くなり…瞳はぐちゃぐちゃと涙に濡れ、口端からはだらしなく涎が零れ落ちていった。 けど…今のオレに、それを気にするほどの理性はもう残ってはおらず。 「んあッ…そこ、ああっ…」 向こう見ずに突っ込んでるだけに見えて。 ルーはちゃんと、さっきの気持ち良いとされる箇所… 所謂、前立腺という部分を的確に刺激してくれており…。 激しく抜き挿しされる度、ルーのモノが絶妙な快感を与えてくれるから。 「セツ…気持ち良い…かっ…?」 「ンンっ…さっきのとこ、よすぎてっ…」 こんな感覚、初めてかも─────… 比べるのも無粋な話だが。 女の子との行為で、ここまでの快感は味わったことがなかったし… ううん、そういうことじゃなくて… 「る、うっ…ルー…!!」 きっとルーが好きで好きで仕方ないから。 気持ち良くて、興奮しちゃうってだけで。 そこに際限なんかは無く…もっともっとって、 バカみたいに欲しくなっちゃうから。 (このまま溶けちゃいそう、だなんて…) 幸せ過ぎて。 繋がったとこも、ぴたりとくっつけた肌と肌も。 ひとつになれたら良いのになんて。 本当に、思えるものなんだな…。 「るっ…どうしようっ、オレ…もっ…」 どんどん加速されてく律動に、身体は熱量を上げて。 窓から照らす月光の、仄暗い部屋の中では… 不釣り合いにも卑猥な水音と、腰を打ち付ける音が。 荒々しい呼吸と混ざり、辺りを彩る。 耳で眼で五感全てでルーだけを感じ、 目前の行為に酔いしれて。 オレは抱かれることが、ルーはこの行為自体が… お互い初めてだったにも関わらず。 それは思いの外、野性的で。 睦言と呼ぶには…荒々し過ぎるものだったけれど。 「セツ…セツっ…」 「ンっ…ああっ…」 「愛してる…」 例えどんな形だろうと。愛する者同士が求めた先にある、ひとつの表現方法なのだから。 「オレもっ、すきっ…大好きっ…!」 そこに綺麗も汚いも、無いんじゃないかって。 だって今、すごく幸せだからさ… 「あっ──────…ああっ…!!」 ルーの抽挿が、一際激しくオレの中を抉り。 強烈過ぎる衝動が、全身を駆け巡る。 すると背中は弓形に揺れ、悲鳴じみた喘ぎ声を発して。脈打つ性器はドクドクと、歓喜するみたく白濁を撒き散らし…果てていった。 途端に身体は、カクンと力を失う。 「はッ…あっ…ぁ…ンっ…」 それでもまだルーはイッてなかったから… 余韻に浸る中、しばらく挿入は繰り返されて。 脱力するオレはされるがまま、小さく喘ぐしかなかったのだけど…。 「セツ───…くっ…!!」 程よくして達したルーは頑なだったソレを、ぶるりと大きく震わせて。 腸内に自身を収めたまま… オレの中で熱く滾る欲を、勢い良く解き放った。 (ああっ…ルーのが、中に…) 脈々と絞り出される精液が、惜しみ無く注ぎ込まれ。この上ない快感から多幸感に満たされる。 「はぁッ……あっ…」 ふやけた視界で、なんとか見上げたルーは。 呼吸は荒く、肩で息をしていて。 雪崩れ込むように、オレの耳元へと顔を埋め… 愛おしげに擦り寄ってくる。 混ざり合う体温と汗が、妙に心地良い…。 (ルー…) 好き、大好き。 本当は今すぐぎゅっと抱き締めて、 何度も愛してるって伝えたいのに。 意識は視界と共にぼんやりと、遠退いてしまう。 「る、う…」 「ん…」 名前を呼べば、ルーはオレが望む通りのキスをくれるけれど。 気持ちとは裏腹に。 オレは絶頂がもたらす余韻の赴くまま… 呆気なく、意識を手放してしまうのだった。

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