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「ん…」 「セツ…起きたのか…?」 ぴくりと瞼を揺らすと、ルーの声が間近で聞こえ。 眠ってしまったのだと悟り、重たい目をなんとか擡げ開く。 「オレっ…寝ちゃったの…?」 目覚めた途端にしょんぼりするオレの髪を、ルーは梳くよう優しく撫でて。 「数分程な…気を失うよう、眠ってしまったから…」 さほど時間は経っていないのだと伝えられ、息を吐いて安堵した。 言われてみれば、お互いの身体もベッドも事後のまんま。室内には生々しい匂いもまだ立ち込めていたし… 「そかっ…なら、良かった…」 「ん…?」 エッチなこと、シてた時は…自分でも抑えらんないくらい叫んじゃってたからか。 声が少し掠れてしまい、上手く喋れなかったけど。 「だって、さ…せっかくの、初夜なのに…。こんな早く寝ちゃったら、勿体ないだろ…?」 「っ…!」 密着する下半身を擦り付けるよう、足を絡めたら。 吐き出したばかりの精液が、互いの肌に張り付いて、ねっとりと水音を立てる。 その時ルーが喉を鳴らしたのを、オレは目敏く認めてたから… 恍惚として微笑み、目を細めた。 「あ…」 その内ルーの中心も再燃され始め…気付くオレが声を漏らせば、バツが悪そうに目を泳がせるのだけど… 「ねっ…ルー、オレ…もっとシたい…」 ダメかな?…ねだるように、下から顔を覗き込んだら困ったよう、嘆息するルー。 「セツ…その様に言われてしまったら、俺はお前を壊してしまいそうだ…」 泣いても知らないぞって、態と意地悪く脅してくるのだけど。 「へーき…ルーになら、どれだけ酷くされたって構わないもん…」 もう知っちゃったから… 今更止まれやしないんだよ。 「…ならば、覚悟しといてくれよ…」 「ふふ…ルーも、ねっ…」 神子として騎士として、 それぞれ成すべきことは山積みで。 全てはこれから、まだ始まったばかりなんだけど…。 今宵だけは、その役割を忘れて。 恋人同士の逢瀬の時を、 少しだけ堪能させては…くれないだろうか? 「ルー…大好き…」 「私も…愛しているよ、セツ…」 欲しくて欲しくてやまない、愛おしい人。 ずっとこうしていられたら…どんなに幸せだろう。 そんなことを本気で願いながら… 眠る間すら惜しむ、夜の獣は。 本能のままに、何度も何度も肌を重ね… その想いを存分に確かめ合うのだ。

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