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騎士としての実力も然ることながら… 魔王城での功績など、若くして団を統率する手腕や。その頭脳も、女王陛下の折り紙付きであり。 ヴィンセント様も次期宰相候補として、現宰相から熱烈ラブコールを受けている…なんて噂が飛び交うほど。 こうして神子に直接携わる面々を並べてみると、誰もが只者じゃないというか…。 守護騎士が選定された当初は、その人選がたまたま美形ばかりが選ばれたものだから。 面食いな女王陛下の、個人的な趣味で選ばれたんじゃないかって…風評も流れてたそうだが。 セツを慕う人達はみんな優しくて、本当に強くて。 性格はそれぞれだけど、誰もがお手本にしたくなるような… 立派な騎士だと、僕は心底思うんだ。 「アリシア様にはセイラとルイの時にも、お世話になったからね~。」 「そうだな。セツの体調がもう少し落ち着いたら、皆で挨拶に行こう。」 いつの間にか僕の腕から離れ、セツの膝の上でお菓子を頬張っていたセイラを、微笑ましく眺めながら。 ルーファス様とセツが語らう。 「そうそう、セツが初めて妊娠したって聞かされた時、俺達はあり得ないだろって半信半疑だったのにさ。アリシア様だけは当たり前のことみてぇに、すんなり受け入れて喜んで…祝宴だなんだって大騒ぎしてたもんな~。」 「だよねぇ~。そういう何者にも動じないとこが、常人とは格が違うというかさ。」 ジーナさんやロロさんが話す通り、陛下は器のデカさがまず規格外というか…。 ここだけの話、変わり者だなぁとは思っていたけど。 見向きもされていなかった、孤児院のことを気に掛けて下さったり…色々と手を尽くして下さった、お方だから。 僕としては感謝してもし足りないくらいだ。 「オレだって、夢の中で女神様が出てきた時は、ホントびっくりしちゃったけどさ…」 それでも今こうして、ルーファス様と結ばれて。 セイラやルイに加え、新たな命まで授かることが出来て。 「オレ、すっごく幸せだよ。いざとなっなら…みんなやアリシア様だって、ついててくれるからね。」 (セツ…) その中に僕も、入れて貰えたらいいな…。 命の恩人であるセツのため…ってのも、勿論だけど。 何よりセツの大切な娘であるセイラを、騎士としてちゃんと守護出来るように…って。 幸せを噛みしめるセツを見て、僕は改めて誓いを立てるのだった。

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