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「しかし3人目とは…更にここも、賑やかになりそうですね。」 「はは、セイラもルイも元気なんで…毎日ドタバタしてますよ。」 オリバーさんが微笑ましげに告げると、セツもセイラを撫でながら苦笑いして。 「気付いたら3人目でしょう、セツもルーも頑張るよねぇ~。」 「ばっ…子どもの前で何言ってんだよ、ロロ…」 ニヤニヤするロロさんに対し。 ジーナさんは呆れた様子で、それを窘める。 そんなふたりの遣り取りを、俺がきょとんとしながら眺めていると。 ロロさんの台詞に赤面して、しどろもどろになるセツに代わり…ルーファス様が真顔で口を開いた。 「セイラが…妹が欲しいと言っていたのでな。セツには負担を掛けてしまうが…セツとの子ならば、私は何人いても大歓迎だから。」 「ちょっとちょっと…!ルーってば、オレに何人産ませる気だよ!」 さらりと凄いことを言ってのけるルーファス様に。 今度はセツが頭を抱えていたけれど。 ふたりとも子ども好きだし。 この様子だと、満更でもないように思えた。 「ママ~、あそんできてもいーい?」 久し振りの全員集合で、大人達が話に盛り上がっていると。お菓子を食べて満足したセイラが、セツを見上げてきて。 「もうお腹いっぱい?あんまり遠くに行っちゃダメだからね?」 「は~い!」 セイラの口元を丁寧に拭きながら告げる様は…思い描いた、理想の母親像そのもので。 ちょっとだけ…羨ましくも思いながら、僕は席を立つ。 「ならば僕が、お供しますよ。」 「ティコ!いーの?わたしといっしょにあそんでくれる?」 一礼して手を差し出すと、小さなお姫様は大喜びで手を重ねてきて。 「ふふ、早速ティコの初任務だね~。」 よろしくねと、セツ達に見送られ。 セイラが急かすよう走り出す。 「セイラ、あまり急ぐと危ないよ?」 騎士のエスコートが気に入ってくれたようで、鼻歌混じりに浮かれるセイラは。 「わたしが神子で、ティコは守護騎士さまね~。これからふたりで、えんせいにいくのよ!」 前触れもなくごっこ遊びが始まり、思わず笑みが零れてしまう。 「それでは僕が、神子セイラの剣となり盾となり…必ずや貴女を守護してみせましょう。」 孤児院でも流行っていた遊びを思い出し。 それっぽい台詞で返せば、セイラは満足そうに微笑んで。僕の手を引いてまた走り出す。 ちらりと振り返れば。セツは愛する人と共に、時折こちらを気に掛けながら。 かつての盟友達と思い出を分かち合い… 楽しそうに笑っていた。 (僕も幸せだよ、セツ。) 貴方と出会い、この命を救われ。 親もいない俺が大きな夢を抱き、叶えて。 こうして今、此処に在ることが…。

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