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―終りを告げる今日―

夕暮れに沈んだ反射した街並みの小さなジオラマを焦燥感が漂う刹那的感情が混ざった気持ちで、ひたすら街を眺めた。  俺が死んでも明日は続く…――。 今日という日がまた終わっても、明日は再び今日のように変らずにやって来る。移り変わる時の流れに自分の身を委ねて、永遠に移り急ぐ時の流れに人はどう生きて、その波に抗うのか…――?  俺の生きた『ちっぽけ』な何も爪痕を残さない つまらない人生は、このガラクタだらけの世界にどう映り。どう生きてその『存在証明』を残していくのか。  一人そう思うと何故だか片方の目から突如涙が溢れだした。自分は悲しくもないのに、この溢れ出る涙は一体何なのか…――?  自分の流した涙に分けもわからずに、ひたすら涙を流した。  自分が無くなるのが怖いのか?   自分にただ悲しくて虚しくて、分けもわからずに涙を流すのか…――?  自分の目から流れ出る涙を袖口で拭った。 「あぁ、そうか……。自分に悲しいのか…――」  俺はそう思ったら何故だか可笑しくて、笑いが自然に込み上がった。 「何だ俺、生きてるじゃん……」  自分の心が長い間、麻痺していた俺は。もう、アレ以上の辛さに対して、心が何も感じる事も無かった。それなのに不思議な事に。自分の中で、素直に感じて揺れている心に対して。少し自分の中で人間らしさを感じた。

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