ガシャン！ 　鈍くフェンスが揺れる音が、静けさ漂う屋上に突如響いた。俺は威圧的な目で相手を強く、睨みつけた。 　自分の中で沸き上がる怒りを押さえながらも、冷静を装えば装う程に。心は剥き出しになった棘のように、張り巡らせるとその男子生徒に対して攻撃的な態度をとった。 目の前で『ギリッ』と強く歯ぎしりをすると、押さえていた感情を剥き出しにしたまま怒鳴り声を上げた。 『ッ…――！　お前に俺の一体、何がわかる！？』 　そう言って思わず自分の怒りに震えながら拳を強く握り締めた。男は俺の行動に自分の目を丸くしながら黙ってジッと見てきた。その場で憤りを感じた俺は、怒りでカッとなり。分けもわからずにフェンスをひたすら壊れるくらいに強く殴ってガシャンガシャンと激しく揺らした。するとそこで相手が言ってきた。 「……俺なら、辺りに人がいても構わずにその場で飛ぶけどな」 　その言葉にハッとなりと相手を見つめ返した。彼は哀愁感漂う表情を浮かべると俺の手を払いのけて隣のフェンスまで歩いた。そして、その前で立ち止まった。 「何やってんだよ…――？」 　男子生徒は少し黙ると俺に言ってきた。 「俺が飛ぶとこ見たくねぇのか、お前？」 その言葉に突如、言葉を失って黙り込んだ。男子生徒は今にもフェンスをよじ登りそうな危険ない雰囲気を漂わせた。