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―終りを告げる今日―
俺の中で何かが弾けるとあの『感覚』が突如、体を支配した。自分の中に潜むあの感覚を必死で抑えようとするが、それが静かに牙を剥き出すとまるで何かを求めるかのように、ジワジワと内側から乾きだした。
強い衝動に襲われながらも。自分自身の中に潜むあの『感覚』を抑える事が出来ずにいた。俺は突如、目の前が急に暗くなり。異様な息遣いさえも感じた。
目の前が交差しながら強い立ち眩みに似た目眩に一人襲われると、俺の目の前にはあの『封印』した忌まわしい幻覚が突如、飛び込んできた。
いや、ちがう。これは幻覚ではなく、この強い衝動と目眩を一言でいうと。俺はいきなり極度の
フラッシュバックに襲われた。そして、さらには自分の記憶の底に封じていた。あの『トラウマ』が突如、目覚め出した…――。
それは最低最悪な気分だった。いわば、自分にとって絶望に近い。混同とした精神の狭間で今が非現実か、今が現実のリアルであるかを強い立ち眩みと目眩がする中で必死に確めた。
その場で少し足元がふらつくと、急に息苦しくなり。息をするのもやっとな状態だった。地面に両手をつくと、がむしゃらに自分の乱れた呼吸を必死で無我夢中で整え落ち着かせた。
「はぁはぁ……ああ、クソッ……!」
顔から尋常じゃない程の汗をかくと、地面の上に汗の雫がポタポタと落ちた。そして、冷たいコンクリートの地面の上に無数の汗の染みが滲んだ。全身をガタガタと震わせていると、近くで黙って見ていた男子生徒が話しかけてきた。
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