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―傷跡とナイフ―

冷たい風に長くあたっていたら不意に体から寒気がした。そろそろ家に帰ろうかと、立ち止まって迷っていると誰かにまた声を掛けられた。 「さっきからずっと見てたんだ。もしかして売りやってる子?」 「は?」 「君、いくら?」  眼鏡を掛けた背の高い男性が声をかけてきた。見た目から高級そうな服と革靴を履いていた。身なりから遊んでそうな感じの男だった。そこで、ある事を思いつくと自分から近づいて話した。 「――オジさんなら別に良いよ。いくら出す?」 そう言って胤夢は妖しい声で話しかけると然りげ無く自分の腕を絡ませて身体を密着させた。男は彼の妖艶な眼差しと声に心を直ぐに奪われた。 「いくらでも出すよ。じゃあ、遊ぼうか?」 手慣れた様子で話すとそのまま、ネオン街の奥へ二人は消えた。そして、派手なピンク色のホテルへと入った。 空いてる405室に二人は入って直ぐにキスをした。そして男が彼の制服に手を掛けると上着から大胆に脱がそうとした。すると胤夢はクスッと笑って男の唇に指を当てて、顔を近づけて話した。 「オジさん、焦らなくても俺は逃げたりはしないさ。それにちょっとタイプなんだよね。だから、二人でゆっくり楽しもうよ?」  そう言って一歩リードすると、大人びた色気を漂わせた。細身で色白の綺麗な顔をした美少年を前に男はゴクリと生唾を呑んだ。中性的な顔立ちが一層、彼の怪し気な妖艶さを醸し出した。一気に相手を手玉取ると胤夢は男をベッドに寝かせて上に跨がって耳元で囁いた。 「オジさんそのまま動かないで。今から楽しい事してあげるよ」 そう言って男の履いてるズボンに手を掛けると、そのままベルトを外した。そして、大胆にズボンを下に降ろした。 「ホラ、手を出して」 「君って見掛けによらずに大胆な事するね。いいね、ノリが良くて気に入ったよ」 「ああ、よく言われる」 胤夢はクスッと相槌をしながら彼の両手をベルトで縛って拘束した。  

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