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惹かれ合うさき……

  「――うるさいな、お前に俺の何がわかる……」 そう言ってそっぽを向くと空を見上げた。機嫌を損ねたように言うと、羽柴は隣ですまなそうな顔で俺に謝ってきた。 「笑ったりしてごめん、俺も本当は高校生になったら自分を変えれる気がしたんだ。中学の時よりも明るくクラスの人気者になれる気がしたんだ。でも、それも見事に空振ったし。何か上手く行かないものだよな、俺らの人生って――」 羽柴は性格に似合わず。急に真面目な事を話すと俺の隣で同じく空を見上げた。二人してフェンス越しに凭れると、少しだけ相手と気持ちが通じた気がした。 「……まあ、どうしてもって時はまた貸してやるよ。でも、余り俺を頼るなよな」 「本当か!? やっぱりお前って良い奴だな!」  再び馴れ馴れしく抱きついて来ると、大袈裟に無邪気に喜んでいた。そこで呆れながら瞳を閉じると不意に微笑んだ。 別に今もこれからも『友達』なんて作らないし、いらないと思っていたのに。何故かコイツだけは友達になれるような気がした――。

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