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惹かれ合うさき……

次の日、体育の授業で慣れない運動をした所為で気分を悪くして体調を壊した。その後、直ぐに別の授業があったが、全然内容に集中が出来なくて途中で授業中に手を挙げると『目眩と頭痛がするので、保健室に行きます』と教師に伝えた。 俺の病気の症状を知っていた教師は、顔色を見てくると一言『早く保健室に行きなさい』と言って許可を出した。羽柴は具合いを悪そうにしてる俺の顔を見て、隣の席から心配そうに聞いてきた。 「お前大丈夫かよ、何だか顔色すげー悪そうじゃん。付き添いで一緒に付いて行ってやるよ」 「いい。そんなに酷くないから自分で行ける」 「遠慮するなよ、俺ら隣の席同士じゃん。困った時はお互い様だろ? いいから無理するなって、俺が肩貸してやるよ!」  そう言って羽柴が余計なお節介を焼くと、俺はアイツに付き添われる形で教室を出た。そして、体を支えられながら二人で長い廊下を歩き。そのまま保健室へ向かった。 授業中だけに廊下の方も静かだった。フラフラになりそうな足取りで気分が悪そうに歩いてると、羽柴が隣で肩を貸しながら言ってきた。 「なあ、お前いつもそうなのか? たまにすげー顔色悪い時あるし、辛そうにしてるじゃん」 「うるさい、お前には関係ないだろ……」  その場で素っ気無い態度で冷たく言い返すと、羽柴は自分の口を尖らすと『まあ、いいや』と言って不貞腐れた。 「まあ、アレだ。また体調が悪い時は、俺に遠慮なく言えよ。その時はまた肩を貸してやるからさ!」  アイツはおめでたいほど良い奴だった。あんな風に言われたら普通は怒ってもおかしくないのにそんな俺に優しく言葉を掛けてきた。羽柴友輝と言う男の『お人好し』な性格の馬鹿さ加減に呆れると隣でふと笑った。 「なっ、何笑ってるんだよ!? 俺、お前におかしな事言ったか――?」 「別に。ただそれを口実に、お前は授業をサボりたいだけだろ?」  俺の一言に羽柴は驚くと舌打ちをした。 「チェッ、やっぱりバレたか〜。だって授業なんて、真面目に受けてたらつまらねーじゃん!」 「お前の事だからそうだと思った。考えてる事が単純なんだよ」 「ひでぇ、単純って言うなよ。これでも俺だって本当は凄くナイーブなんだぜ。知らないだろ?」 「嘘つくな。全然そうには見えないぞ」 「なんだと〜!」 其処で言い合うと何だ馬鹿らしく感じて、二人で笑った。そして、不意に気が付くと立ち止まった廊下の先に1年C組の教室が見えた。その直ぐ側を羽柴と静かに歩いて横切ると、ガラス窓の外から中の様子が見えた。  

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