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偶然は必然!? 2
蓮の背中に冷たい汗が流れる。待て待て、一体これはどういう状況だろう?
確か昨日は――……仕事が終わったその足で大阪へ向かう夜行バスに乗り込んだ。
特に何か用事があったわけでは無い。
ずっと好きだった男にフラれ、仕事中も上の空で最近は何をやっても上手くいかない。
このままではいけないと思い、一念発起して気分転換でもしようと思ったのだ。
東京から大阪まで約10時間。ゆったりとしたシートに凭れ、眠っているうちに大阪へと到着するなんて最高じゃないか。
初めて利用したが車内は思った以上に広々としており、平日という事もあって、いくつか空席も目立つ。
ごちゃごちゃしているのは苦手だったので正直ホッとした。
何より、3列シートだが、ちょっとした仕切りがあり半個室の様な仕様になっている為隣に人が居てもあまり気にならないのが嬉しい。
これなら他人に気兼ねすることなく、ゆっくりと眠れるだろう。
そう思いながら荷物を置き、ゆったりとシートに腰掛ける。オットマン付きのリクライニング機能もあるので、寝そべることも出来そうだ。
窓側の席に座ると、外を流れる景色を見つめながら一人小さく息をつく。
着いたら何をしようか。とりあえず、腹ごしらえをして観光かな。
あぁでも、一人で回るのはやっぱり何となく寂しい気がする。
誰か一緒に回ってくれそうな人が居たらいいのに。
もういっそ現地で可愛い男の子でも引っ掛けてしまおうか。
そんなことを考えながら何気なく、ゲイ専門のマッチングアプリを開いてみた。
だが案の定、自分の性癖に刺さりそうな男は中々見つからない。
(なんで薄らハゲか子豚みたいのしかいないんだよ!)
心の中で悪態を吐きながらスワイプしていると突然、自分の頭上に影が差した。
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