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秘密の関係 9

「そうだな、可愛い事言って煽ってくる君が悪い」 「アンタの可愛いの基準がわかんないよ! って言うか……こんなとこでしようとするなんてほんっと、信じらん無い」 そっぽを向いて不貞腐れた様子のナギを見て思わず吹き出す。 「そんな拗ねるなって。本気で嫌なら鍵を開けて出ていく事も出来たはずだ。それをしないで自分もソノ気になってたのに、人のせいにするんだ」 「そ、それは……っ!! だって……」 口籠もり俯いたナギの顎を掴み上向かせ今にも唇が触れ合いそうな距離で囁く。 「本当は、こう言うシチュエーションが大好きなんだろ? この間もバスの中だったし。変態はどっちだろうな?」 「ぅ……っ、違くて……あれはその……」 「何が違うんだ? バスの中で、声が出せない状況に興奮して俺の上で自分から腰振ってたくせに今更純情ぶるなよ」 耳元でわざと思い出させるように囁けば、ナギの顔が見る間に赤く染まっていく。 「そ、そんな言い方しなくたって良いじゃん!」 「僕は事実しか言ってない」 「……っ!」 「それとも、また虐められたいの?」 「ちが……っ」 否定の言葉を紡ごうとする唇を塞いで深く口付ける。 歯列をなぞり上顎を舐め上げて舌先を絡めて吸い上げる。 何度も角度を変えて貪るように唇を重ね、呼吸すらままならないほどに責め立てた。 「んっ……ふぁ……やっ、くるし……っ」 ドンドンと胸板を叩き苦しげな声を上げるナギにようやく解放してやると、飲み込みきれなかった唾液が糸を引きプツリと切れた。 「……っ、はぁ……は……っ」 「……ねぇ、ホテル、行こっか。エッチな君をもっと見たい」 「……っ、この、ドS……っ」 熱に浮かされたような目で睨まれてもただ男を誘うだけだと言う事に彼はいつになったら気づくだろうか。 「ドМな君に言われたくないな」 どうするんだ? と、耳元に熱い吐息と共に低く掠れた声で尋ねてやれば小さく息を飲んだ彼が瞳を揺らし、躊躇いがちにコクリと首を縦に振った。 「じゃぁ、決まりだね」 ちゅっ、と音を立てて頬に軽くキスをして蓮はクスっと笑みを零した。

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