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秘密の関係 13
いつも一人でスマホを弄ってゲームをしていることが多いし、友だちと出かけたとかそう言った話も聞いたことがない。
少なくとも蓮が所属していた間は恋人が出来たという話すら無かったはずだ。
「……蓮君はやらないの?」
「僕はあんまり興味無いな」
「そっか。面白いのに」
そう言って再び黙り込む雪之丞を見て、蓮は小さく嘆息すると車のシートに背を預けた。
自分には、ゲームにのめり込む感覚がよくわからない。人の趣味っをとやかく言うつもりは無いが、画面と睨めっこしているくらいなら、アプリで適当な男を捕まえて、ホテルに連れ込んでしまった方が絶対に有意義だと思う。
まぁ、もっとも最近はナギ以上にそそられる相手もおらず、少々欲求不満気味ではあるのだが。
そんな事を考えながらぼんやりとしているうちに、車は高速に入り、しばらく行くとやがて目的地である海が見えてきた。
くねくねとした長い坂道を登りきると目の前には断崖絶壁が広がっている。
その景色を眺めているうちに、蓮は段々と憂鬱な気分が増長していくのを感じて小さく息を吐いた。
この景色を自分は知っている。この先に待っているであろう光景が容易に脳裏に浮かんできて、蓮は眉間に深いしわを寄せた。
あぁ、帰りたい。
だってこの場所は――。
「……着いたぞ」
凛の声に我に返る。いつの間にか車は止まっていて雪之丞は既に車を降りた後だった。
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