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動揺と葛藤 13

「やっぱおっきいね……それに、すっごく熱い」 「っ、いい加減離してくれないかな」 蓮はやんわりとその手を退かすと不機嫌そうに眉根を寄せてみせるが、その表情とは裏腹に心臓はバクバクと高鳴っている。 これでは、この間と立場が逆じゃないか! ナギの手の平の上で転がされているようで面白くない。人に翻弄されるのが嫌なのは自分も同じなのだ。 「清ました顔しても無駄だよ。身体は正直だよねぇ、ほらココとか凄いドクドク脈打ってる」 「……ッ」 布越しに握りこまれて、蓮は小さく声を上げた。 「あはっ、感じてるんだ? 可愛い」 「くっ……」 完全に遊ばれている。悔しいが、上手い具合にあしらわれてしまっているようだ。 「……ッ、君だってシたくて堪らないんじゃない?」 負けじとナギのそこに触れると、既に硬くなり始めているそこが掌の中でドクンと震えるのがわかった。 「人のチンコ触って勃起しちゃうなんて、君は相当な淫乱みたいだね」 「ぅ、うるさいなっ! お兄さんこそ、そんなに大きくさせて、全然説得力ないよ!」 人の事を変態呼ばわりする割に、自分が淫乱だとは認めたくないようで、蓮はにやりと意地の悪い笑みを浮かべると一気に距離を詰めた。 「っ、な……っ」 腰を抱き、互いの下肢を密着させてぐりっと押し当てるとナギの口から戸惑いの声が漏れる。 「どうしたの? 顔が真っ赤になってるよ?」 「ッ、別に赤くなんかなってないし! っていうか、何で急に近づいてくるんだよ!」 「へぇ、そう。なんでって……、抱いて欲しそうにしてたから。リクエストには応えないと、でしょう?」 色気を含んだ低い声で囁いてやると、ナギの耳がみるみるうちに朱に染まっていく。

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