62 / 351

動揺と葛藤 20

「んん……ッ、はぁ……っ、気持ちい……」 激しい律動にナギは蓮の背中に爪を立てながら、自らも腰を振る。 「はぁ……っ、ん……、んんっだめ、声……出ちゃう」 唇を噛みながら懸命に抑えようとする姿がいじらしくて堪らない。もっと啼かせてみたくなって、蓮はナギの腰を浮かせると角度を変えて更に奥を責め立てた。 「だ、駄目って、言ってる……のにっ、ぁあっ!」 「ごめんね? 君があまりにも可愛い事言うからつい」 「っ、意地悪……っ」 恨めしげに睨まれても全く怖くない。むしろ逆効果だと思う。 そんな事を考えつつ、再び抽挿を始めるとナギが切なげな吐息を洩らし始めた。 その吐息が耳元にかかり、ゾクゾクする。 快楽で潤んだ魅惑的な瞳に見つめられるだけで、一瞬にして理性が飛びそうになった。 その時。 「あれ? おっかしいな……鍵掛かってる」 「!!」 ガチャガチャッとドアノブを回す音が響き、二人は一瞬にして動きを止めた。そして、息を潜める。 ――まずい……っ もし今入って来られたら言い訳のしようがない。だが、ここで行為を中断する事など出来るはずもなく……。 「――っ」 「わ、ちょっ、何考えて――ッ!」 突然動き出した蓮に驚き、思わず声を上げそうになるナギの口元を手で塞ぎ、再び激しく腰を打ち付ける。 そのままナギの身体を持ち上げるようにして挿入を深め、ぐりぐりと最奥を擦り上げた。

ともだちにシェアしよう!