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撮影開始 3

獣王戦隊獅子レンジャーは、獅子レンジャーたちと、悪の秘密結社「キライダナー」との戦いを描いた物語である。 派手なCGを駆使して物語が作り込まれており、毎回敵のキャラに豪華俳優陣を起用するなど、話題に事欠かない工夫が随所に凝らされている。 アクターの撮影は主に、戦闘パートとマシンに乗って戦う操縦パートに別れており、まとめて二、三話撮影することも少なくない。 第一話の敵は、怪人ベジタブル。ピーマンや人参を模した姿をしており、口から吐き出される緑の液体を浴びると野菜嫌いになってしまうという厄介な能力を持った怪人である。 (どうでもいいけど、このネーミングセンスの無さはなんとかならないのか?) と内心毒づきながら、蓮の演じる獅子レッドは目の前にいる怪人と対峙する。 「そこまでだ! 怪人ベジタブル!! お前たちの好きにはさせない!」 「ふっはっはっ! 来たな! 獅子レンジャー! 今日こそお前らを倒して世界中の子供らを好き嫌いの海に溺れさせてくれる!」 「させるかっ!!」 「はっはっはっはっはっはっ!くらえ! 苦い汁スプラッシュ!」 笑い声を上げながら、怪人は両手から緑色の液体を勢いよく噴射してきた。 (くっそダサいな!! そして、技がエグい!) 心の中でツッコミを入れながら、それを素早く避け、蓮はすかさず反撃に出る。 「っ、はっ!せいっ!」 「ぐおっ!」 素早い動きで拳を繰り出し、攻撃を避けると隙を突いて蹴りを入れる。 途中、床に落ちたぬるぬるとした液体を何度か踏んで、滑りそうになったがなんとか堪え、相手の動きに合わせて技を繰り出す一連の動作動はとてもスムーズで、一見するとブランクなどないようにも思えた。 事実、一緒に戦闘シーンを演じている東海からは驚きとも感嘆とも取れるような息遣いが聞こえてくる。

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