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表裏一体 7

「うーん。好きになった子が、好きなタイプ……かな」 「うっわ、出た。チャラ男発言」 蓮の答えに、ナギが茶化すように言う。 いや、これ結構真面目に言ったんだけど、なんて思いながら蓮は思わず苦笑いを浮かべた。 その答えが不満だったのか、美月と雪之丞が目を細めジト目で見つめてくる。 いや、なんで!? 普通に答えただろ!? 二人からの視線に困惑しながら、蓮は助けを求めるように視線を彷徨わせた。 「はぁ、アホくさ。美月ってこのオッサンの事好きなわけ?」 「えっ!?」 「へっ? え……っ、そう、だったの?」 「ち、ちがっ! 違うわよっ! そんなんじゃ……っ」 盛大な溜息を吐き、呆れた様子で呟いた東海の言葉に美月が顔を真っ赤にして首を振る。 「そんなんじゃなくって! ただ、蓮さんモテそうだから男性の意見が聞いてみたかっただけで……」 「男なら、他にもいっぱいいるじゃん。それに、自分の弟に聞けばよくね? イケメン中のイケメンじゃないか」 「ちょっ! 逢坂さんっ! 私に振らないで下さい!」 突然話を振られた結弦が慌てて両手を振り、ブンブンと首を横に振る。 「あー、アレ? 恋愛は事務所NGとかそういうの?」 「違います! まぁ、CMのイメージとか色々とあるので一概には言えませんが……」 「ゆづには、聞けないもん……だって、ゆづは……」 「姉さんっ! ちょっと黙って!」 美月がポソリと零した言葉に、結弦が慌てて口元を押さえた。 「めっずらし。天下の草薙結弦が慌てるなんて……。何か訳ありっぽいね」 そんな二人の様子を見て、東海が面白そうに口角を上げる。 意地の悪いニヒルな笑みを浮かべている辺り、コイツもやっぱりいい性格していると思う。 そんな事を思っていると、ナギがクイっと袖を引っ張ってきた。 なんだ? と思い、蓮がそちらに顔を向けると上目遣いのナギと目が合う。 そしてそのまま、唇に柔らかな感触が――。 「あっ!」 その瞬間、すぐ近くで雪之丞が小さく声をあげたのがわかった。

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