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3人で!? 2

「だって、こんな美味しそうな状態のゆきりんを、ドsなお兄さんと二人っきりにはさせられないでしょ」 いや、僕はそこまで鬼畜じゃないぞ!? いくら何でも無抵抗の相手を見境なく襲ったりはしない。 「と言うのは建前で、俺がお兄さんとシたいなぁって」 「……っ、君の頭の中はそればかりだな」 「酷くない? この業界に居るとさ、ストレスが溜まるんだよ。だから、思いっきり突き上げて発散したいなぁって」 「いやいや、それはおかしいだろ!」 「えー、でも、お兄さんも嫌いではないでしょ?」 「……」 否定は出来ない。いやらしいことは好きだし、ナギとヤるのは堪らなく気持ちがいい。 でも、流石に雪之丞を一人にはできない。 「……ま、まぁ……泊める位なら……。でも、雪之丞の前ではシないからな!」 「えぇ……。でもまぁ、いっか」 結局、目の前の欲望に抗えなかった。監督の事を見境ないなんて言ったけど、自分も大概見境ないよな。なんて思いながら、蓮は諦めたように嘆息する。 「ゆきりん、行こ」 「え? ナギ君も来るの?」 「ん、まぁね」 ニヤリと笑いながら、雪之丞にナギが何事かを耳打ちする。途端にボンと頭から湯気が出そうになるほど顔を真っ赤にした。 一体何を吹き込んだんだ!? 雪之丞は耳まで真っ赤になり、俯いている。そんな様子に、嫌な予感しかしなくて、蓮の胸がざわついた。 「雪之丞に何を言ったんだ?」 マンションへ向かうタクシーの中、左側に居るナギにそっと尋ねる。 「えー、別にぃ」 「嘘は良くないな。絶対何か吹き込んだんだろ?」 「さぁ、どうだろうねぇ?」 本当にコイツはいい性格をしている。雪之丞の反応を面白がって、コチラに教えてくれる気は毛頭無いらしい。 どうせロクでもない事を言っているに違いない。 雪之丞に後で直接聞くしかないか……。 この状態で素直に教えてくれるかどうかも怪しいが。 「……蓮君」 「な、なんだ?」 隣からじっと見つめられて、思わずドキリとする。 もしかして、もう我慢できなくなったとか? まだ部屋にも着いてないんだけど……。 って、いやいや。自分は何を考えてる!? 雪之丞は大事な友人で、そういう目で見たことは一度も無かったはずだ。 ナギがおかしな事を言うからきっと変な想像をしてしまっただけだ。 雪之丞は相変わらず俯いたままで、表情は窺えない。ただ、心なしか身体が震えているように見える。 「雪……」 「き、ぎもぢわるい……」 「え?」 突然の言葉に思考が停止する。 あっと思った時にはもう遅く蓮は生暖かい感触に包まれていた。

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