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嫌だ!! 5
「年は関係なくない? 実際、お兄さんとだって離れてるわけだし」
ジャケットを羽織りつつ、何気ない調子で答えたナギの言葉に、蓮はピクリと片眉を上げた。
「僕は君の友達じゃない」
「え……っ?」
ロッカーの扉を閉めようとするナギの後ろから肩と腰に腕を回して抱き締め、軽く耳に口付ける。
「ちょ、なに?」
突然の事に驚いたのか、身体を硬直させたナギが耳を赤く染めたままこちらを振り返る。
だが、蓮はそれに構うことなく首筋に鼻を埋め、スンっと匂いを嗅いだ。
香水や整髪料とは違う甘やかな香りが鼻腔をくすぐり、それと同時にさっきあの男を見た時に芽生えた小さな嫉妬の火種が煽られてあっという間に大きくなった。
あの男と自分が同列だなんて、あり得ない。
だからと言って、じゃあなんだ? と言われれば答えられないのだけれども。
ナギにとってはあの程度のスキンシップはたいしたことじゃ無いのかもしれない。友達だという自分と簡単に寝る位だ。もしかしたらあの男とも?
……想像しただけで腸が煮えくり返りそうだった。
「……ねぇ、あの男とは何処までヤった?」
「え? ……痛ッ!」
驚くナギの耳たぶにガリっと歯を立てる。ガタッとロッカーが揺れた。だが、蓮はお構いなしだ。びくりと竦んだ身体を強い力で押さえつけ、シャツの裾から手を差し入れて直接肌に触れる。
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