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トラブル続きのスタート

翌朝。最初に蓮が目にしたのは見慣れぬ天井の色だった。 頭がぼうっとして、一瞬ここが何処だかわからずに混乱したが、すぐに昨夜の事を思い出した。 昨夜は何故か付き合おうという話になり、そのまま風呂場で致そうとして途中でのぼせてしまったんだ。 我ながら情けない話ではある。そして、なんだかんだで第二ラウンドに突入し、いつの間にか眠ってしまったらしい。 と言うか、付き合うって結局どういう事だろう? ヤっている事は以前と何も変わらないような気がする。 強いて言うなら、隠し事はしちゃダメだと言う事くらいだろうか? まぁいいか。わからないことを悩んでも仕方がない。 付き合っていくうちにわかる事も沢山あるだろう。 ふと隣を見れば、ナギの姿はすでに無く、ひやりとしたシーツの感触だけが残っていた。 (随分早起きだな。朝は苦手な筈なのに……) 不思議に思いながら、ベッドを降りて水を飲もうとキッチンへと向かう。 寝室の入り口をくぐった所で、獅子レンジャーのジャケットを羽織り、ヘッドフォンをしてパソコンを前に何かぼそぼそと喋っているナギの姿を見つけた。 「えっ? 後ろ? 後ろって……」 「ん?」 壊れたロボットのようにゆっくりとナギが振り返る。そして、蓮の姿を認めた途端、ピシリと固まった。 「ちょ、ちょっ! 服! なんで服着てないのさっ!」 慌ててヘッドフォンを投げ捨て、バタバタとこちらにやってきたナギに部屋に押し返される。 「えっ? なに?」 一体何事だろうか? 訳が分からずされるがままベッドに座らされ、キョトンとしているとナギがタイミング悪すぎだよとぼやく。 そう言えば、先ほどチラリと見えたパソコンの画面には、端の方のスペースで文字が流れるように映し出されていた。 そう言えば、配信がどうのって昨夜言っていたような……。 あれ? これって、もしかしてヤバイ時に顔を出してしまった感じ? 気付いた時には既に遅し。 「と、とにかく! もう終わらせて来るから部屋からは出てこないでよ!」 ピシっと指を突きつけて、部屋から出て行く姿をポカンと口を開けて見ていたが、急に可笑しさが込み上げてきて思わず吹き出してしまった。

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