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トラブル続きのスタート 2

壁一枚隔てた向こうでは、恐らく言い訳を述べているであろうナギの声が聞こえて来て、ますます笑いが止まらなくなる。 それにしても……。 真っ赤になって慌てふためくナギはやっぱり可愛いかったなぁ。なんて思いながら蓮は再びベッドに寝転がった。 そんなトラブル、編集で何とかできるだろう。なんて呑気に構えていたのだが、配信を終えて戻って来たナギはどこか不機嫌そうだった。 「もう、お兄さんのせいで大変だったんだよ!? 生配信中に乱入してくるなんてありえないっ!」 「え? ナマ?」 「そうだよ! コメ欄ヤバい事になってたんだから」  そう言って睨み付けて来るが、よほど恥ずかしかったのかその頬は未だ紅潮していて、迫力に欠けるどころかむしろ可愛らしさが倍増しているような気がする。 「ハハッ、ゴメンって生配信だなんて知らなかったんだよ」 配信するとは聞いていたが、生配信だとは知らなかった。こんな朝早くに何人の人が見ていたのかは知らないが、コメント欄の荒れ具合を考えたらまた笑いが込み上げてきてしまう。 まぁ、例え知っていても、忘れていたのだから結果は同じだっただろうが。 そんな事を言ったら怒られるのは必至なので、そこはあえて言わずにおいておく。 するとナギは諦めにも似た溜息をつくと、蓮の隣に腰掛けて、肩に頭を預けてきた。甘えるような仕草に思わず心臓が小さく跳ねた。 「こんな所でも羞恥プレイかますなんて、ほんっとお兄さんって意地悪だよね」 いや、さっきのは完全に不可抗力だろう。困らせたくてやったわけでは断じてない。

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