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トラブル続きのスタート 4

こういう時、どう反応をするのが正解なんだろう? なにかリアクションをと思うものの、気の利いた言葉一つ思いつかなくて、ソワソワと落ち着きなく視線を彷徨わせていると、ナギが蓮の方を見て小さく笑った。 「お兄さん、棚から白いお皿出してくれない? あと、マグカップも二個」 「わかった」 言われるがままに食器戸棚を開け、皿を取り出して空いているスペースに置くと、ナギが手際よくそこに盛り付けていく。 トーストにベーコンエッグ、レタスとトマトのサラダに、コーンスープ。あっという間に完成した朝食はとても見栄えが良くて、食欲を唆られた。 何故だろう。何処にでもありそうだし、勿論食べた事はある。なのにどうしてか、とても美味しそうな物に見えて仕方がない。 「ほら、出来たよ。運ぶの手伝って」 「うん」 ナギと一緒にローテーブルまで運んで、向かい合って座る。 自分だけソファに座るのは気が引けたが、ナギが先に床に座ってしまったので、仕方なくソファに腰を下ろした。 「いただきます」 軽く手を合わせてから、箸を手に取る。こうやって誰かと朝食を食べるのは何年ぶりだろう? 何時もコンビニで簡単に済ませることが多かったからだろうか。新鮮で、温かく感じた。 「……どうかな?」 じっとこちらを見つめる瞳に、蓮は口の中の物を飲み込んでから答える。 「凄くおいしいよ」 「……そっか」 朝の光の中、ナギは口元を微かに緩めて笑った。 その笑顔が眩しくて、蓮は目を細める。 「その顔、凄く好きだな」 「……えっ?」 ポロリと自然に口から滑り落ちた言葉に、ナギは一瞬驚いたように目を丸くして蓮を見た。そして、みるみると頬が紅潮していく。 じわじわと首から赤くなっていく様子を間近で見て、なんだか自分まで照れくさい気持ちになってしまう。

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