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お願い3

「蓮君、こう言う事はちょっと……。誤解されたら困るのは君だろ?」 精一杯強がって見せたものの、言葉尻が小さくなっていくのを止められなかった。 蓮は人の話を聞いていないのか益々強く抱きしめてくる。 「ちょっと! 蓮くん!? ボクの話聞いて「聞いてるよ。ちゃんと……。でも、いま手を離したら何処か遠くに行ってしまうような気がするから」 耳元で囁かれた言葉に、思わずドキッとした。 別にこのまま姿を晦ますつもりは無かったが、逃げ出したいと考えていたのは事実だ。 でも、蓮はそれに勘付いたのだろうか? それともただの偶然なのか? どちらにせよ、雪之丞にとって蓮の言葉は的を射過ぎている。 「逃げないよ。……何処にも行かないから離してくれない?」 そう言ってやんわりと蓮の胸を押し返すと、彼はゆっくりと拘束を解いて雪之丞と向き合うように距離をとった。 「……」 気まずい空気の中、お互い無言のまま見つめ合ってどれ位経っただろう。 先に口を開いたのは意外にも蓮の方だった。 「少し、僕の話をしてもいいかな?」 「……蓮君の、話? いいけど……急になに?」 一体、なんの話があると言うのだろう?

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