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接触 13
「……あ……っ」
最後の文字を打ち終わり、エンターキーを押した途端。画面上で今までびくともしなかったロボットが急に動き出し迫力のあるエフェクトと共に必殺技が炸裂した。
「やった! 蓮君、動いた! 動いたよ!!!!」
興奮した様子で立ち上がり、蓮の手をギュッと握りしめて喜ぶ雪之丞は、ハッと我に返ったのか急に手を離し、ごめん。と眉を寄せて切なげに謝った。
「雪之丞……」
「ご、ごめん。つい嬉しくて。蓮君は全然悪くないのに、俺、なんか、その、変な反応してごめんね」
そう言って、今度は少しだけ寂しげな笑みを浮かべる。
「謝るなよ。僕達友達だろ? 嬉しい時は素直に嬉しいって喜んでもいいんじゃない? 僕も、この目で見れて凄く嬉しかったし。それに、最後のパスワード迄違ってたらどうしようって凄く不安だったから」
「……っ、友達……。そっか、そう……だよね」
蓮の返事に、何故か雪之丞は酷く傷ついたような顔をした。どうしてそんな顔をしたのかわからず戸惑っていると、雪之丞は誤魔化すように笑顔を取り繕う。
「そう言えば蓮君、今日は早いね。何かあったの?」
「いや、何かあったとかじゃないんだ。早くその紙を雪之丞に渡したくってさ」
ナギに早く会いたかったから。と言う本音は飲み込みつつ答えると、雪之丞の頬に赤みがさすのがわかった。
「そ、そうなんだ。……ありがとう」
「うん。それじゃあ僕は戻るよ。まだ準備もあるしね」
「あ、そうだね。引き留めてごめん」
「いいよ。雪之丞の顔も見たかったし」
「~~っ、そう言う事サラッというのやめてよ。恥ずかしいから」
最悪。と、口を尖らせて複雑そうな顔をする雪之丞にまた後でと、挨拶をして部屋を出る。
更衣室へと向かう間、何気なくメッセージアプリを開いてみるがナギからの連絡はなく。蓮は少し残念に思いつつスマホをポケットに仕舞った。
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