196 / 351

企画会議 2

「うわ……最悪」 「げ、マジ?」 ナギと東海が赤い印を引き当て、二人は絶望的な表情で項垂れた。 「ナギ、大丈夫かい? なんなら僕が変わろうか?」 「おい、オッサン、それじゃクジの意味無いだろ」 つい心配になって声を掛けると、東海がムッとしたように抗議の声を上げる。 「そうだよ、大丈夫だって。別に相手は人間なんだし、ちょっと怖いけど」 「そう? なら良いけど」 兄の寝起きはすこぶる悪い。目付きの悪さはいつもの倍以上だし威圧感が半端ないが大丈夫だろうか? 一抹の不安が頭を過るが、それもまた一興かと黙っている事にした。 「じゃぁ、決行は今度の地方ロケで決まりね」 美月の一言に、メンバー達は満場一致で賛成した。 「それで、次のお題なんだけど……ええっと……。雪之丞さんのキャラ弁作りが見たい?」 「ええっ、ぼ、ボク!?」 「あー、ゆきりん器用だし、意外に料理上手だからねぇ。って、誰よこんなの入れたのは」 美月が呆れたようにため息を吐き、苦笑する。 「って言うかさ、それ、いっそ料理対決とか面白そうじゃん?」 そう言いだしたのは、雪之丞の隣の席に座っていた東海だ。 その言葉に、ナギも目を輝かせ「それ、面白そう!」なんて便乗してくる。 「ち、ちょっと誰が対決するのよ?」 「誰って……そりゃ、いるじゃん。紅一点本物女子が」 「っ、あ、アタシ!?」 「なに、出来ねぇの? まさか女子なのに料理できないとか言うんじゃ」 「失礼ね! 出来るわよ! その位っ!」 ニヤァと意地の悪い笑みを浮かべる東海に、美月は頬を膨らませ不機嫌そうに睨みつけた。

ともだちにシェアしよう!