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企画会議 3
「いいわ! やってあげる! 勝負しましょ、ゆきりん!」
「姉さん……本当に大丈夫なんですか?」
心配そうに見つめる結弦の顔には不安の色が浮かんでいて、それが余計に美月に火を付けた。
「大丈夫! 男の子になんて負けないんだから! とびっきり美味しい物作ってやるわよ!」
「へぇ、そりゃ楽しみだな」
「ちょっと! 逢坂さん! 姉さんをあまり煽らないで下さいよ」
美月がやる気になったのを見て、弓弦が困ったように眉を下げる。だが、一度言い出したら聞かない性格なのは知っているのか、それ以上は何も言わなかった。
そんなやり取りを少し離れた所から眺めていると、ナギが自然と隣にやって来る。
「俺、今回のロケ楽しみになって来た」
「そう、だね。美月が色々と企画を考えてくれるから、退屈しなくて済みそうだし」
「お兄さんもそのうち何かやらなきゃなんじゃない?」
「え? 僕が?」
思いもよらぬ言葉に、蓮は驚いてナギを見返す。すると、ナギは悪戯っぽく笑いながら人差し指を立てた。
「んー、お兄さんには何がいいかなぁ? 結弦君とのイケメン対決? あ! 二人で女装しちゃえば? どっちが可愛いか。みたいな」
「はぁ? 嫌だけど」
「ちょっと! 小鳥遊さん! 何とんでもない企画考えてるんですか! 私だって嫌ですよっ!」
突然会話に入って来た結弦は、真っ赤な顔をして憤慨している。
「あはは、冗談だってば」
「えー、でもそれ見てみたいかも。蓮君意外と似合いそう。結弦君も……」
「棗さんまで何言ってるんですかっ!」
ナギの話に便乗して来た雪之丞の言葉に、結弦が頬を引きつらせながら反論する。
「なになに、何の話?」
「なんか、草薙君とオジサンが女装対決やるんだって」
「いや、やらないから!」「やりませんってば!」
蓮と結弦の声がハモり、その反応が可笑しかったのか、美月たちは顔を見合わせケラケラと笑った。
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