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バスの中で 6
「――全く、どれだけバカップルなんですか貴方たちは!」
バスが最寄りの休憩所へと到着後、二人は仁王立ちの結弦に捕まり、そのまま説教を受けていた。
「いや、あの……それはその……」
「言い訳なんて聞きません。大体、あんなところで盛るなんて言語道断ですよ。一体なにを考えているんですか。女性も同乗していたのに」
「……なんで俺まで……」
怒り心頭の結弦の横で、ナギはうんざりした表情を浮かべていた。自分はある意味被害者だと言わんばかりの表情をするナギを睨み付け、結弦は呆れたような溜息を吐いた。
「今回の件は蓮さんが一番悪いと思いますけど、小鳥遊さんだって同罪ですよ。本気で嫌なら抵抗出来たはずでしょう!?」
「ぅ……」
ド正論を返され、ナギはそれ以上何も言えずに黙りこんでしまった。確かに拒否しなかった自分も悪い。思い当たる節があり過ぎて返す言葉が見つからないのだろう。
「……全く、貴方たちは棗さんに悪いと思わないんですか? あの人が気付いた時どんな気分になるか想像してみて欲しかったですよ」
そう言って、結弦は少し離れた所で東海たちと話をしている雪之丞へチラリと一瞬視線を送り、一度目を伏せてからもう一度二人に向き直った。
「イチャイチャしたい気持ちはわかります。でも、そう言う事は二人きりの時にして下さいよ」
「……はい」
「ごめんなさい」
項垂れる蓮に、素直に謝るナギ。反省の色を見せたことでひとまずは満足したのか、結弦はヤレヤレと肩を竦めた。
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