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バスの中で 7

「……今回は大目に見ますけど……。もし、次にやったら御堂さんに報告しますから」 「……っ、わ、わかったよ……」 「ごめん。もうしないから……」 一瞬にして青ざめる蓮とナギ。それだけは勘弁して欲しいとばかりに首を激しく縦に振る。 そんな二人の反応に、ようやく溜飲が下がったのか、タイミングよく声を掛けてきた雪之丞たちの方へと歩みを進めていった。 「……お兄さんのせいで怒られたじゃないか」 「悪かったよ。ナギが可愛くてつい、悪戯したくなっちゃったんだ」 「……っ、ばか」 シレっと言い放った蓮の言葉に本当に反省しているのかと訝し気な目を向けるが、これ以上責めたところで無駄だろうと諦めたのか、ナギは大きなため息を吐いた。 「……もういいや。弓弦の言うとうり、ちゃんと拒否らなかった俺も悪いし……。続きは部屋で……だからね」 それだけ言うとナギは足早にバスの中へと戻って行った。改めて釘を刺したつもりかもしれないが、どうにも可愛いお誘いにしか聞こえず、蓮はクスっと笑った。 「オッサン、なにニヤニヤしてるのさ。キモいよ」 いつの間にか背後に来ていた東海がジト目でこちらを見てくる。 「別に。なんでもないよ」 「ふーん。まぁいいや。それより、例の動画明日の早朝に撮影するからって美月が言ってたから、一応伝えとくよ」 ポンと蓮の背中を叩きながらさらりと告げられた一言の意味がすぐには理解できず、蓮は一瞬呆けてしまった。 ようやくそれが、兄に対する寝起きドッキリだと気付いたのは数秒後で、蓮は慌てて振り返る。 だが、既にそこに東海の姿はなく、蓮は苦笑いしながら頭を掻くと、バスに乗り込むべく歩き出した。

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