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勝負の行方 5

「対決って何をするんだい? 僕、ゲームとか苦手なんだけど」 「私もです……。姉さんお手柔らかに」 「大丈夫よ。貴方たち二人はただカメラの前でこっちの指示に従ってポーズを取ったり、笑ってればいいんだから」 「……それだけ?」 「そう。たったそれだけ。後は編集で何とかするから。二人の映像を見て、視聴者さんに誰だか当てて貰うのと、どっちが可愛いかをコメント欄で募集するの。どう?面白そうでしょう?」 美月の問いかけに、蓮と結弦は揃って首を傾げる。 確かに面白そうだが、一体どんな結果になるのか想像もつかない。 「じゃあ、早速撮ろっか。まずは二人で並んで。で、お互いの腰に腕を回して。顔はよせながら正面に向けて」 「……君の姉さんは、随分とノリノリじゃないか」 言われたとうりにポージングをしながら、蓮はげんなりとした表情で結弦に話しかける。普段撮影をしている時も元気だとは思っていたが、今日は一段とテンションが高い気がする。 対する結弦も同じような事を思ったのか、困惑気味に苦笑いを浮かべた。 「姉さんに悪気はないんです。番組を盛り上げるためにはどうしたらいいかを一番に考えてる人なので、大目に見てやってください」 自分達の女装対決が、番組の視聴率に直結しているとは到底思えないが、そこまで言われてしまうと無下に出来ない。 「まぁ、この格好で街を歩けとか言われなかっただけでもマシだと思う事にするよ」 「ですね。あとは、放送事故にならないよう祈るばかりです」 「ああ、全くだ」 結弦とアイコンタクトを交わし、お互いに小さく溜息をつく。 「二人とも~、表情硬いよ。笑って、ほら」 「……笑えと言われてもな……」 「……」 蓮が結弦に視線を向けると、相手も同じことを考えていたようで目が合った。 7月3日より更新中です当たりますように!

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