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勝負の行方 13

「……蓮さん。一番年上だからって全部背負い込む必要無いじゃないですか。アタシ達そんなに頼りにならない?」 悲しそうな目をして美月に問いかけられ、蓮は静かに首を横に振った。 「違うよ。草薙さん……そうじゃないんだ。もしかしたら、一連の出来事が僕に対しての個人的な恨みから来るものかもしれなくて、それで……みんなに迷惑を掛けたくなかっただけなんだ……頼りにならないなんて思って無いよ」 「つーか! もう充分迷惑かかってるし! 今更じゃん?」 東海の言葉に全員がうんうんと大きく同意する。その様子を見ていて、蓮は胸に熱いものが込み上げてくるのを感じ、慌てて俯き唇を噛み締めた。 この撮影が始まってからと言うもの、自分の知らない感情が多すぎて困る。 打算や駆け引きの無い純粋な言葉の数々に、胸が詰まって泣きそうになるだなんて、今までの自分からは想像すら出来なかった事だ。 「話してくれない? お兄さんが何を抱えているのか……。一人よりたくさんいた方がきっと良い考えが浮かぶと思うから」 「私も小鳥遊さんと同じ考えです」 「アタシも知りたい!」 「ぼ、ボクも……」 「……みんなが聞くって言うならオレも聞いてやってもいいけど」 ナギと結弦が優しく語りかけてきて、更にメンバー達に囲まれる。皆の優しさが心に染みて、じんわりと目頭が熱くなった所で凛がそっと蓮の肩に触れた。 「いいメンバーに恵まれたじゃないか」 「……うん。本当だよ……」 蓮は涙を拭いながら、小さく笑うと顔を上げてゆっくりとそれぞれの顔を見渡し、ぽつりぽつりと口を開き始めた。

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